
ABBAは実働10年間に全世界で2億5千万枚ものレコードを売り上げたスウェーデン出身の超スーパーグループだ。全盛期には「世界の恋人ABBA」と称され、日本では「悲しきフェルナンド」がナショナルのCMで、「チキチータ」が不二家ネクターのCMで、またあの人気子供番組のひらけポンキッキ中で「S.O.S」が使われたこともあった。我々日本人にとってはとてもなじみ深いグループなのだ。
ABBAが結成されたのは今から36年前の1972年。フォークグループ「フーテナニー・シンガーズ」の中心的人物だったビョルン(ABBAの作詞担当、ギター)と「スウェーデンのビートルズ」という異名をとっていた「ザ・ヘップ・スターズ」の中心的役割を演じていたベニー(作曲担当、キーボード)が出会い、ある日、ビョルンがアグネタ(ボーカル、金髪)を、ベニーがアンニ・フリード(ボーカル、通称フリーダ)を連れてきた。この4人が一緒に歌うことになり、各人の名前の頭一字ずつを取りABBAというグループ名になったのだ。彼らは世界に通用するグループになりたいという大きな夢があった。1974年4月6日、ついに彼らの夢がかなった。ヨーロッパ最大のコンテスト「ユーロビジョンソングコンテスト」に参加し、「恋のウォータールー」で見事に優勝を果たした。念願の世界デビューだ。今、世界中で大流行しているABBAの曲22曲で構成されたミュージカル『マンマ・ミーア!』の最初の上演がイギリスで、しかも4月6日に行われたのは、このABBAの世界デビューにあやかってのことだった。


ABBAの魅力とは一体どこにあるのか?まず第一に、誰にでも親しめるメロディー。「ダンシング・クイーン」のようなダンスミュージック、「ヴーレ・ヴー」のようなディスコ調、「S.O.S」のようなバッハの旋律を思わせるような曲など実に多彩である。2つ目は、ハーモニーの素晴らしさ。アグネタの伸びのある清涼な声、それを引き立たせるフリーダの低音の魅力。知らないうちにどんどん曲に吸い込まれていってしまう。あたかも「魔法」にかけられた感覚に誰もが陥ってしまう。そして3つ目は、あの奇抜な衣装。かつて一世風靡(ふうび)したピンク・レディーは、ABBAの衣装に強い影響を受けた、とのちに語っていた。

1980年3月、ABBAは日本で11回のコンサートを行い、大成功を収めた。あれから28年。『マンマ・ミーア!』の成功もあり、日本ではここ数年間、「第2期のABBA人気」が再燃している。しかし、あの素晴らしく、美しいABBAのコンサートは二度と見られない。そんなあきらめの中、ついに「ABBA活動停止以来、最も魅力あるABBAのコンサート(THE BEST ABBA CONCERT SINCE ABBA)」を実現してくれるグループが現れた。その名は『ABBA GOLD』。2003年3月、ベルリンでAtam AchikbasとWerner Leonardの2人のプロデューサーの手によりスタートし、以来ヨーロッパ各国で100万人を突破する爆発的人気を博し大絶賛を受けた。まるで舞台に本物のABBAが居るかと錯覚するほど、そのステージは素晴らしい…その『ABBA GOLD』が昨年待望の日本初上陸を果たした。2007年4月14日から22日まで東京国際フォーラムで全11回のコンサートを行い、連日満員御礼。「ダンシング・クイーン」や「ヴーレ・ヴー」、「恋のウォータールー」など23曲を披露。約16,500人ものABBAファンを熱狂の渦の中に巻き込んだ。毎回熱気と興奮にあふれ、サイリュームの光とあいまい、ファンはABBA GOLDと一体化した。まさに「27年ぶりのABBA来日コンサート」が実現したのだ!その『ABBA GOLD』が今年も日本にやってくる。夢にまで見たABBAのコンサート!今年、再び、ここによみがえる!

竹内恒雄
(音楽評論家・ABBAオフィシャルファンクラブ日本支部代表)
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