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ひとインタビュー器用貧乏ゆえ抱えたジレンマ 歳を重ね、これからが面白い 第五回 森山 良子さん

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偶然の再会が念願叶えた

透明感あふれる歌声と歌唱力で、世代を超えて人を魅了し続ける森山良子さん。第一線で活躍する彼女の原動力となっているのは、「つねに自然体で」という美意識。それだけはデビュー以来、変わらないという。
(文・井上理江/撮影・田中史彦)

――「この広い野原いっぱい」でデビューされて、もう40年ですね

あっという間でした。40年も歌ってきたんだなあ、幸せだったなあ、という感慨でいっぱいです。

――つねに第一線で活躍してきました

いいえ、そうでもないです。自分の音楽が時代に取り残された気がして、焦った時期もありました。結婚、出産で休業していた20代前半のころは、本気でやめたいと思ったことも。

ただそのとき、周りが、また一緒にやろうよ、と声をかけてくれた。再びステージに立った瞬間、ああ、音楽があって初めて私は生かされているのだ、と気づいたんです。それ以降、どんなことがあっても歌をやめないと決めました。

歌を通じた経験が勇気に

――その間、ご自身は変わられました?

歳を重ねると、視野や可能性、自分のやりたいことが狭まっていきがちですが、私は逆。むしろ、歌を通して経験してきたことが、やっと大きな勇気づけとなって私を後押ししてくれています。

――昔はどうでしたか?

どちらかといえば、引っ込み思案で、人と出会うことも面倒くさいと感じていた。自分の世界を頑に守り、好きなジャンル以外の歌に抵抗感を抱いていたりね。でも、結局人との出会いから生まれてくるものが楽しくて、面白い。さまざまな経験を通してそれに気づき、今は、まず何でも経験しよう!と、かなり前向き。歳を重ねるごとに、もっと、もっと、と好奇心旺盛になっている気がします。

――その出会いの中から生まれた代表的なものは何?

2年前に出したジャズアルバム。父がジャズトランペッターだったせいか、ジャズシンガーになるのが夢でした。そんな長年の念願がかなったのも、ジャズピアニスト島健さんとの再会があったからなんです。

――再会というと?

お寿司屋さんで偶然お会いして、私、ジャズがやりたいんだ!ってお話したら、とても乗ってくださって。それがきっかけで新しいジャズミュージシャンたちとも出会い、触発され、エッセンスをもらいながら、自分でも予想だにしなかった、今までとはひと味違う、ジャズシンガーとしての新しい森山良子を経験することができたんです。

(写真)森山良子さんプロフィール

1948年、東京生まれ。日本ジャズ界のパイオニア森山久氏の長女。67年、デビュー曲「この広い野原いっぱい」が大ヒット。以後、「禁じられた恋」「涙そうそう」「さとうきび畑」「あなたが好きで」などヒット曲多数。04年5月にジャズアルバム「The Jazz Singer」を引っ提げ、米国の名門ライブハウスをまわる。05年、愛・地球博の開会式で公式ソング「マザーアース」(作詞:御徒町凧/作曲:森山直太朗)を披露。ことしデビュー40周年を迎えた。

お知らせ
森山良子さんコンサートスケジュール

「Ryoko Moriyama 40th Anniversary Special Concert 森山良子 WITH 矢野顕子」

  • 7月30日(日)NHKホール
  • 8月25日(金)愛知厚生年金会館
  • 8月30日(水)NHK大阪ホール

「森山良子コンサートツアー 2006〜2007」

  • 8月5日(土)神奈川県立県民ホール
  • 9月6日(水)北海道厚生年金会館
  • 9月18日(祝・月)浜松アクトシティ大ホール
  • 9月29日(金)まつもと市民芸術館
  • 10月9日(祝・月)長岡市立劇場
  • 11月4日(土)大宮ソニックシティ、ほか。

お問い合わせ:森山良子ファンクラブ

電話03-3350-6127

http://www.ryoko-moriyama.jp

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