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ひとインタビュー定理作りに情熱、永遠に青春 孤立無援の変人扱いも楽しい 第六回 秋山仁さん

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あきらめない、が生き方

平穏を排除し、あえて孤立無援の生き方を選んだ。「自分の人生を最近になってようやく、ちょっとだけ面白がり、楽しめるようになったかな」。愛すべきサミュエル・ウルマンの詩集と、55歳から再び始めたアコーディオンをかたわらに、秋山仁さんはそうつぶやいた。
(文・井上理江/写真・小山昭人)

――<理想を失うときに初めて老いがくる>。ウルマンのこの詩が今、ご自身の心に一番合致するとのこと

ここにきて、ますます青春真っただ中だなあ、という思いが募ってきていて。優れた創造力、たくましき意志、炎ゆる情熱、こういうものが内面にあれば、人は永遠に青春、若く生きていけるんじゃないかと、最近しみじみ思いますね。

本職で勝負するのが基本

――今なお情熱を傾けているのはやはり数学の研究

人間は本来、本職で勝負するのが基本だと思っています。何年も前から、教育者としてテレビ講座や講演活動をしたり、啓発書などの執筆も数多く手掛けていますが、私の本職は数学者。だから、数学の定理を作ることに一番力を入れているし、情熱を注いでいる。死ぬまで数学者として活躍し続けたいという思いは、常に根底にありますね。

――数学のだいご味はどこに?

実は、あまりないんです。ただ、地べたをはいつくばって、死にもの狂いで一生懸命やっていると、たまに、まぐれですばらしい数学の定理を見つけられる。森羅万象、不可解な謎が、ある角度から見た瞬間、そのからくりの全容が見えることがあるわけです。まあ、そんな歓喜の一瞬というのは人生のうち数えるほどしかないのですが。でも、その「たまに」を求めて、頑張っている。

――数学にそこまで自らの人生を投じてきたのはなぜですか?

悔しかったから。そのひと言に尽きる。ことごとく受験に失敗、大学や大学院でも落ちこぼれでね。人生、振り返れば、屈辱の連続。数学も大してできなかった。それが悔しくて、克服したかった。それが今も続いている。絶対に征服するまで辞めない。

(写真)秋山仁さんプロフィール

1946年、東京都生まれ。上智大学大学院数学科修了後、ミシガン大学数学客員研究員、米国AT&Tベル研究所科学コンサルタント、東京理科大学教授などを歴任。現在は、東海大学教育開発研究所次長、東海大学理学研究科教授のほか、平成基礎科学財団理事、日本数学検定協会会長などを務める。専門誌に100編を超える論文を発表、啓発書、専門書など約90冊を執筆。近著に「知性を織りなす数学美」(中公新書)、「算数ってこんなにおもしろかったんだ」(主婦と生活社)、「数の大常識」(ポプラ社)、「秋山仁先生作る!解く!IQパズル大百科」(学研)など多数。

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