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ひとインタビュー40歳のアイドルがいてもいい 勝ちを狙う時は確実に「打つ」 第八回 秋元康さん

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好奇心のおもむくままに

将来は官僚への道を描いていた高校時代、ラジオ局へ台本を投稿したのがきっかけで思いがけず放送作家デビュー。「思えば、道草から始まった人生」と振り返る。「これはアルバイト、いつかは終える」と思い続けていた。ここまで続いてきたのは、すべては「好奇心」。そのひと言に帰結する。
(文・井上理江/写真・小山昭人)

――好奇心こそが、秋元さんの人生を決めてきた、と

そうです。好奇心が失せたら仕事をやめようとさえ思うほど。人生にはやりたいことをやる時間しかないと僕は思っています。だから、自分の好奇心に突き動かされながら、やりたいと思ったことをやってきたし、興味がないことはやらなかった。そのスタンスはいまも一貫して変わらないです。

――映画やドラマ、舞台プロデュースとさまざまな分野で、まさに八面六臂(はちめんろっぴ)の活躍ぶりですが

自分が面白そうと思った企画に手を出してきた結果でしかないです。

――いずれもヒット作になる

若いころは、ずっとヒットを出し続けていたこともあり、確かに、つねにヒットを狙っていました。全勝しようという気負いもありました。ただ、今は昔ほど勝つことに執着はないです。むしろ、5勝3敗2引き分けでもいい、結果的に勝ち越せばいいんだ、3敗4敗はしかたないんじゃないか、なんて思えるようになってきました。

――それは、どうして?

完璧を望むと人の失敗が許せなくなりますが、これは非常に息苦しい。そんなことにふと気づくときがあって、意識が変わった。負けを許せたり、認めたりできるとその分、人に優しくなれるし、そこから新しいアイデアが出てきたりもしますからね。

考えてみれば、どんなに注意を払っていても、人は失敗するし、間違う。大事なのは、補正する力、学習する力があるかどうか。失敗や負けを恐れて、その場に立ち止まり、何もしないのが一番もったいないと思う。

――そういう感覚が、年齢を重ねる中で身についてきた

おそらく僕がいま、監督的な立場になってきたからだと思います。昔は自分がプレーヤーだったから、最低でも塁に出なければと、必死だったところはあったんだろうな。

――でも、負けが続いてもいけないわけですよね

負けが続いて、塁に出られないと結局次につながらない。自分がやりたいことがやれなくなってしまう。だから、本来は三振してもいいから、後先考えず、バットを思いきり振りたい性分なんですけれど、ここはヒットを出しておかないとそろそろマズイぞ、というときは、バットを短く持って確実に打つ。

――昨年12月、ご自身がプロデュースされたアキバ発アイドルユニット「AKB48」も大ヒットです

これはもう、完全に大振りパターン。いまの時代はアイドルに何を求めているんだろう?会いたいときに会えるアイドルがいたら面白いんじゃないか?そんな好奇心から始めた、空振り三振覚悟のプロジェクトでした。当たったから良かった。

(写真)秋元康さんプロフィール

1956年、東京都生まれ。作詞家。放送作家として「ザ・ベストテン」など多くの番組構成を手がける。その後、作詞家として、美空ひばりの「川の流れのように」をはじめ、数多くのヒット曲を世に送り出す。91年には「グッバイ・ママ」で映画監督デビュー。著書も多く、「着信アリ」(角川ホラー文庫)シリーズは映画化されている。近著に小説「象の背中」(産経新聞社)など。05年、京都造形芸術大の芸術学部教授に就任。現在、テレビ番組「おしゃれイズム」「うたばん」「とんねるずのみなさんのおかげでした」などの企画構成、ラジオのパーソナリティ、「AKB48」総合プロデューサーなど多岐に渡り活躍中。

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