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ひとインタビュー30年遅れ、無駄じゃなかった DVDを出すのは死後でいい 第十四回 笑福亭鶴瓶さん

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絶対できる、と背押され

連日テレビの人気番組に出演し高視聴率を取っている笑福亭鶴瓶さんが、ここ数年古典落語に傾倒している。客数わずか80の小さな会場でも、時に「子別れ」や「らくだ」などの大ネタをかけて通をうならせる。大学を中退し、6代目松鶴に弟子入りしてから30年以上、関西・関東のお笑い界を常にリードしてきた男に、どんな心境の変化があったのだろうか。
(文・神山典士/撮影・三浦健司)

はじまりは「子別れ」

ここ数年古典をやり続けているのはすべて小朝さんの考えなんです。プロデューサーは落語界のイチローである小朝さんで、僕はプレーヤーなんです。

――数々の番組を生み出し、どんなゲストでも光らせて帰すプロデューサー役の鶴瓶さんが、今回は別の役割を自認しているのですね

少し前に狂言がブームになった時に、落語界でも若手が出てこなあかんなとは思っていました。僕も関西の落語界の理事をやっていますから、ま、落語界の広報役はやらなあかんかなと。でも自分で古典ができないと説得力ないでしょう。そう思っていた時に、小朝さんが声をかけてくれた。東京の2千人の会場で「子別れ」をやりませんか、と。それがすべての始まりやったですね。

――そこから小朝さんを中心に春風亭昇太さん、立川志の輔さん、柳家花緑さん、林家正蔵さんたちと「六人の会」ができていったのですね

その時は大阪の連中も呼んでもらうということを条件にしました。そして研鑽(けんさん)会をつくったら、今度はうちの師匠が得意にしていた「鴻池(こうのいけ)」をリクエストされて。どんどん本格的にやらなあかんようになっていったんですわ。

――大阪でも桂文珍、桂南光さんとの「夢の三競演〜三枚看板・大看板・金看板〜」もできましたね

最初に話をいただいた時は恐縮しました。僕でいいんですか?って。何せ僕は落語の世界ではかなり出遅れてますから。約30年、本格的な古典はやってこなかったんですから。でも昔から文珍さんと南光さんは「鶴瓶は簡単に落語に帰って来られる」としゃべってはったそうなんです。小朝さんも「あなたはできる。絶対にできる」と言ってくれはって。聞くところによると、亡くなったうちの師匠も「あいつは泳がせておけ」と言っていたそうなんです。だから小朝さんたちも皆、お前の30年間は絶対に無駄ではなかったし、僕らにはない違うことをする力がある、一緒に入ってもらったら僕らも刺激になると言ってくれたんです。

――実際、「鶴瓶噺(つるべばなし)」という会では、2時間のステージを5日間、まったく違うネタで毎回伝説の舞台を生んでいましたからね

手前みそですけれど、ああいう舞台ができる人はまずいないという自信はあります。でも、そのステージの面白さは観(み)に来た人にしかわからないから、評価が上がりようがなかったんです。記録にも残してないし。

(写真)笑福亭鶴瓶さんプロフィール

1951年、大阪市東住吉区(現・平野区)生まれ。京都産業大学を中退して72年、6代目笑福亭松鶴に入門。数カ月後にはラジオ、テレビでレギュラーを獲得して関西で人気者に。77年、最初の東京進出に挑むがテレビで下半身を露出して降板。その後関西でナマにこだわった企画を成功させる。86年、再度東京進出。「笑っていいとも」などで人気を博す。2004年から春風亭小朝プロデュースの「六人の会」のメンバーとなり、古典落語にも取り組む。現在持ちネタは30本余り。私落語では3本を主なネタにしている。現在テレビレギュラー5本、ラジオ2本。舞台では「鶴瓶噺」「笑福亭鶴瓶落語会」「劇場スジナシ」などを行っている。

お知らせ
第五回青山寄席「笑福亭鶴瓶落語会」のご案内
  • 出演者
    笑福亭鶴瓶、笑福亭仁福、笑福亭瓶成
  • 開演日時
    2006年11月11日(土)午後6時〜、12日(日)正午〜・午後4時〜、の計3公演。
  • 会場
    青山円形劇場(東京都渋谷区神宮前5-53-1 東京メトロ銀座線・千代田線・半蔵門線表参道駅B2出口徒歩8分)。
  • 料金
    全席指定 前売り4500円(税込み)。
  • 一般発売
    10月14日(土)より、電子チケットぴあ、ローソンチケットにて発売開始。
  • 問い合わせ
    アタリ・パフォーマンス(電話03-5572-7571 平日正午〜午後6時まで)
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