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ひとインタビュー祖母といつも空を眺めていた 将来は自給自足の生活したい 第十六回 半井小絵さん

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【2006/10/25掲載】

 

「伝える」幸せを感じて

午後7時28分の恋人を誰よりも心待ちにしている人がいる。半井小絵(なからい・さえ)さんの祖母である。「高齢で体が弱いのに、私の天気予報を見ては喜び、元気に長生きしてくれている。それが何よりうれしい」。祖母の話になった途端、さわやかな「笑顔の恋人」の目から、思わず涙がこぼれた。
(文・井上理江/写真・三浦健司)

――日本銀行にお勤めでした

親の思いもあって大阪支店に勤務しましたが、秘書業務が一番好きでした。テレビや新聞に出ていらっしゃるような方にお会いできるのもワクワクしたし、上司が次に何を求めているのかをタイミングよくキャッチして動いたり、複数のお客様がいらした時などに臨機応変に段取りを考えたりするのも楽しかったですね。

――それがなぜ、転職?

20代後半に入ったころ、自分で見つけた目標に向かって頑張ってみたくなったのです。それまでは、わりと両親や周りの人々の期待に応えることを優先させて生きていた気がします。それもいいけれど、一度きりの人生なんだからもっと主体的に自分らしく生きよう、一生続けられる仕事を見つけようと思うようになって。目標とするには資格がいいだろうと思い、気象予報士を目指すことにしたんです。

――気象予報士にしたのは?

祖母の影響です。祖母は小学生の時、京都で室戸台風の被害に遭いました。校舎がつぶれて多くの子どもが亡くなったそうです。祖母は運よく助かったのですが、以来、台風や雷など自然の脅威にとても敏感でした。祖母と一緒にいつも空を眺めていたせいか、小さいころから天気に関心があったのです。

4度目の挑戦で試験を突破

――銀行に勤めながら、2年間も予備校に通われたとか

当時は窓口業務で残業が少なかったので、週2回くらい通っていました。夏期講習に参加したり、夜中に起きて勉強したり。もちろん銀行の仕事が最優先でしたから授業を欠席することも時々ありましたが、勉強ざんまいの2年間でしたね。4度目の試験で合格することができました。

――気象キャスターという職業は最初から狙っていたのでしょうか?

資格の勉強をし始めて、次第に、せっかくなら、自分で出した予報を人に伝えられる人になりたい、とぼんやり思うようになりました。でも、キャスターという仕事はまったく意識していませんでした。

それが合格後、予備校の授業で面識のあった方から気象会社を紹介していただき、そこへ転職。最初はラジオで気象キャスターをしていました。その後、NHKの気象キャスターのオーディション受験を勧められて。受けたら運よく採用となったのです。

(写真)半井小絵さんプロフィール

1972年、兵庫県生まれ。日本銀行大阪支店在職中の2001年3月に気象予報士資格を取得。同年、民間気象情報会社に転職。現在(株)ウイングに所属。民放ラジオ局で天気予報を担当した後、NHKオーディションに合格。02年4月より2年間、関東甲信越ローカルの気象情報を担当。04年3月より「ニュース7」(月〜金曜)の気象情報担当に抜擢(ばってき)され、高い人気を集めている。気象予報士の地位向上を目指すNPO法人「気象キャスターネットワーク」正会員。気象キャスターを務めるかたわら、気象や防災、環境に関する講演活動、小学生向けの環境教育なども行っている。近著に「半井小絵のお天気彩時記」(かんき出版)。

お知らせ
半井小絵のお天気彩時記

わかりやすいコメントで人気のNHK気象キャスター半井小絵さんが、季節と天気の移ろいをやさしく軽妙な語り口で書きつづった、初のエッセー集。季節を身近に感じる二十四節気や空模様、年中行事、風物詩の話題に、写真やイラストも織り交ぜて「彩」時記風にまとめられている。

「半井小絵のお天気彩時記」(かんき出版・1260円〈税込み〉)

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