自分を知ってもらうことだと思います。何かを演じるときも、自分の色をすべて消して演じるものではありません。
観客全員が毎回、見に来るとは限りません。その時その時に、自分の演技がどう映るのか。1回で満足してしまうものなのか、次につながるのか。
「もう一度見たい」と興味をもってもらえるような、魅力的なスケートができれば、と思います。そのためには、毎回最高のパフォーマンスをしなければなりません。
その波を作らないのがプロ。アマでは波があっても仕方ないけど、プロは一夜限りの観客も多いので、毎回がベストな演技でないと。だから、これまで以上に不規則な日程の中、いかに体調を管理できるかが求められてきますね。

子どもたちに伝えたいことがあります。今は、親の方が「こんな選手に育てたい」などと、期待が大きくなる傾向があります。その結果、子どもがスケートにしばられてしまいがちですが、本来の楽しみ方を身につけてほしい。
だから自分が企画、制作できるショーには、子どもたちを呼んで滑らせてあげたいと思っています。「スケートって、楽しいんだよ」「こういう楽しみ方もあるよ」と伝えてあげたいのです。
すべてを終えたときに、「やってよかった」と思えました。これからのスケーターたちのためのチャリティという形で、ショーの構成も一部の振り付けもしました。
地元の仙台のリンクが閉鎖されたので、親元を離れてスケートを続けざるをえなくなった子ども2人も呼び、滑ってもらいました。スケートで大変なことだけを刻むのではなく、楽しさを心に残してあげたいと思ったのです。今後、機会があれば、もっといろんなスケーターを滑らせてあげたい。
子どもたちに「こういうプロになりたい」という手本になれたら、いいのですが。
世間は「結果がすべて」と言います。それを十分認識しつつも、私はそうなりたくない。「人の上に立ちたい」とか「名誉なことをしたい」とかではなく、自分の気持ちが大切だと思っています。だから「スケートをやってきてよかった」と思える状況が、「自分にとっての結果」になるのです。
本のタイトルとなった「ティラミス」はイタリア語ですが、私のエキシビション曲「You Raise Me Up」と同じ、「私を元気付けて(くれる)」といった意味があるそうです。「あなたがいたから、私はここにいる」と、多くの人への感謝の気持ちも込めました。私の愛犬の名前にもなっています。
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