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ひとインタビュー特別編 世界を魅了するために、表現者として 荒川静香さん

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毎回最高のパフォーマンスを

―― 荒川さんにとって、氷上で自分を表現するということは、どういうことですか

自分を知ってもらうことだと思います。何かを演じるときも、自分の色をすべて消して演じるものではありません。

―― 自分を知ってもらうのは、1回のステージで? それとも年間通してでしょうか

観客全員が毎回、見に来るとは限りません。その時その時に、自分の演技がどう映るのか。1回で満足してしまうものなのか、次につながるのか。

「もう一度見たい」と興味をもってもらえるような、魅力的なスケートができれば、と思います。そのためには、毎回最高のパフォーマンスをしなければなりません。

―― 体調次第で好不調もあるのでは

その波を作らないのがプロ。アマでは波があっても仕方ないけど、プロは一夜限りの観客も多いので、毎回がベストな演技でないと。だから、これまで以上に不規則な日程の中、いかに体調を管理できるかが求められてきますね。

スケートの楽しさを子どもたちに伝えたい

―― 「プロとしても、スケート界を広くサポートしたい」と宣言されています。具体的な計画は

子どもたちに伝えたいことがあります。今は、親の方が「こんな選手に育てたい」などと、期待が大きくなる傾向があります。その結果、子どもがスケートにしばられてしまいがちですが、本来の楽しみ方を身につけてほしい。

だから自分が企画、制作できるショーには、子どもたちを呼んで滑らせてあげたいと思っています。「スケートって、楽しいんだよ」「こういう楽しみ方もあるよ」と伝えてあげたいのです。

―― その思いが、5月に新横浜で開催した「フレンズ・オン・アイス」(友人のトップ選手たちと、子どもスケーターが出場したショー)という企画につながったのですか

すべてを終えたときに、「やってよかった」と思えました。これからのスケーターたちのためのチャリティという形で、ショーの構成も一部の振り付けもしました。

地元の仙台のリンクが閉鎖されたので、親元を離れてスケートを続けざるをえなくなった子ども2人も呼び、滑ってもらいました。スケートで大変なことだけを刻むのではなく、楽しさを心に残してあげたいと思ったのです。今後、機会があれば、もっといろんなスケーターを滑らせてあげたい。

子どもたちに「こういうプロになりたい」という手本になれたら、いいのですが。

―― 今秋、エッセイ本「Tira mi su(ティラミス) だから私はがんばれる!」(角川書店)も出版。「私にとっての結果は順位ではなく、私の気持ちが結果だった」ということばの意味は

世間は「結果がすべて」と言います。それを十分認識しつつも、私はそうなりたくない。「人の上に立ちたい」とか「名誉なことをしたい」とかではなく、自分の気持ちが大切だと思っています。だから「スケートをやってきてよかった」と思える状況が、「自分にとっての結果」になるのです。

本のタイトルとなった「ティラミス」はイタリア語ですが、私のエキシビション曲「You Raise Me Up」と同じ、「私を元気付けて(くれる)」といった意味があるそうです。「あなたがいたから、私はここにいる」と、多くの人への感謝の気持ちも込めました。私の愛犬の名前にもなっています。

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