アコースティックはずっと好きで、ギター弾き始めたころから弾いてはいるんです。本格的にソロをライフワークみたいな形にしようと思い始めたのは90年代からかな。クラシックギタリストの人とジョイントの話があって、生ギターをPAを使わずステージで生演奏したんです。難しいんだけど、自分の中で新しいものを開発できるんじゃないかという気持ちがあって。課題というか、楽しみが増えた感じですね。エレクトリックギターも確かに楽しいんだけど、ギターにはそういう世界もあるんだなと。
自分のオリジナルのギターコンチェルトで世界中を回りたいですね。2日目は地元のギタリストを呼んで、ジャズのセッションをやる。最後の日はアコースティックギターのソロ。いろんな国に行って1週間ぐらい滞在しながら、コンチェルトとセッションとソロをやって、美味しいものを食べて美味しいワインを飲んで、また次へ移動して。それができたら、さぞ楽しかろうと思います。
みんな「F」で挫折してますね(笑い)。最初は1〜4弦だけでFをやりましょう。それでもダメなら1〜3弦で。たとえば最初はAmの3つだけおさえる。一つずらせばEになる。順番にやれば、2〜30分で弾けるようになる。自分が弾いている音が花開くイメージを持つと上達します。ギターって、ものすごい難しいことをやっているように見えても、分解していくと小さい簡単なアクションの連続なんです。
NHKでギターの講師をやって、簡単なことを伝えるのがいかに難しいか、勉強になりました。以前はギタースクールなんかで教えると、自分が弾けちゃうもんだから、「何でできないの」みたいな態度で(笑い)。「こうやって弾けばいいんだよ」とか。それができないから来てるんだよね(笑い)。一番いけないタイプの先生でした。
ピックを使うにしても指で弾くにしても、実際に鳴っている弦を自分の指で感じられること。それから、ここで鳴っているボディに体が共鳴することですね。
ほぼ毎日、30分から2時間ぐらい練習しています。まだまだ肉体的には、やればやっただけ成果が出ます。少しずつ目標を立ててやっていかないと、変化がない。最近つまんないな、と思ったら、単に自分が弾けてないだけだったり。
旅先とか、映画や絵画を見た時に何かを得ることはあります。旅行でその場所に行くのは大きいですね。でも、その時には曲はできないんです。それが凝縮して、いったん消化して、忘れたころに曲作りのヒントになります。
あと大きいのは締切ですね(笑い)。ニューヨークに着いて、もうレコーディングなのにあと2曲作らなきゃいけないとか、そういう時がいいんです。「30分待ってて」と言い残してダウンタウンでリフレッシュして。意外にモチーフができちゃう。わだかまりや迷いがあったり、「いいものを作りたい」と思ったらダメですね。もう無理だと思って、なんとか曲ができて弾けた時、ああ自分はこれが言いたかったんだなと思うことがあります。
ずっとギターを弾いているでしょうね。実は50歳を過ぎてクルマの免許を取りに行ったんですよ。3週間ぐらい合宿して。18ぐらいの子どもに混じってやるのは気恥ずかしかったけど、自分で運転すると楽しいですよ。次は船の免許かな。

20代の半ばで、アレンビックというエレクトリックギターを買ったんですね。すごく高くて、当時ギブソンとかが20万円ぐらいで買えた時に80万円以上しました。弾いてみると、聞いたことがない音がする。買う引き金になったのは、友だちのミュージシャンに「あれを弾きこなせるのはお前しかいない」と言われて嬉しくなっちゃったから。このギターとつきあったことが、自分の次の音楽スタイルのきっかけになりました。ギターの新しいサウンドを得るために、自分でエイヤって投資したことになるのかな。
アルバムのカバーに作品を提供していただいているんですが、日本画家の千住博さん。こだわり男ですね。とにかく作品を描き続ける。できようができまいが毎日7時にアトリエに行って作品と対峙するとか、創作中は一切アルコールを口にしないとか、バテバテになるまで描き続ける姿に共感します。僕もときどき朝7時に起きて、スタジオに行って弾いてみたりします。続くときは続くんですが、二日酔いだったりすると今日はサボっちゃおうかな(笑い)とか。千住さんごめん。
2000年前後にいろいろ思うところがあって読んだんですが、ヘルマン・ヘッセの「シッダールタ」。文庫本で、ぼろぼろになったんで自分で装丁しなおしました。この本はいろいろな意味で救いというか、なんで自分がギター弾いているか分からなくなったときに、読むとちょっと安心できる、勇気づけられます。ギター弾くのは基本的に楽しいし、それでいいんですけど、ときどきふと、なんでギター弾いているのか分かんなくなる時があるんですよ。
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