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ひとインタビュー殺伐とした時代に、なお美しく、お茶の間を和ませる存在でいたい 第四十五回 浅田美代子さん

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50代も私らしく

ドラマ「時間ですよ」でデビューしてから34年。当時の愛くるしい美代ちゃんの面影を残しつつ、浅田美代子は50代となった。女性たちのファッションリーダーとして、国民的映画の良き妻役として、そしてバラエティー番組においては天然ボケのキャラを発揮し、常に若々しい彼女。人生の苦しみや葛藤(かっとう)を抱えてもなお、変わらずに可愛らしい彼女から、目が離せない。
(取材・文/田中亜紀子 写真/田中史彦)

――映画「釣りバカ日誌18」は、浅田さんは12回目の出演ですが、毎年どのような気持ちで撮影に臨まれますか?

年に1回「家族」に会いに行くという感じです。私は東京生まれの東京育ちなので田舎がないのですが、お盆に里帰りするってこんな気持ちかなと。長いシリーズなので、みんな年をとってきて、今回は三國連太郎さん扮するスーさんが会長に退き、認知症の疑いが出るなど大変なことになっていて。台本を読んだ時は驚いたけど、結局すごくおもしろくなりましたね。この作品を演(や)っていると子役の鯉太郎だけが毎年変わっていくので、自分にはあっという間に感じる1年が、実は長いということがわかる。今の鯉太郎は3作目ですが、今年なんて声がわりしていましたから。

――西田敏之さん扮するハマちゃんの妻、みち子さんを演じる心構えは?

なるべく、芝居をしすぎないように。釣りバカ日誌は芸達者な人が多く、特に西田さんと三國さんが作り上げていく世界がおもしろくて、私もついなんかやっちゃおうか(笑い)、と色気が出るんだけど、それをやるとあの世界のバランスが崩れるから、絶対にやりすぎちゃだめと心に決めています。

――ハマちゃんみたいな男性は、浅田さん個人としてはどう思いますか?

ハマちゃんは単純にみち子さんを100%愛しているので、こういう人と結婚した女性は幸せでしょうね。日々楽しそうにしているから、妻も楽しいし。よくみち子さんが理想の妻といわれるけど、実はハマちゃんのほうが理想の旦那(だんな)さんかもしれません。みち子さんは手のひらの上でハマちゃんを転がしてすごく大人ですよね。以前私も専業主婦だったけど若かったからこんなふうにはできなかったからなぁ。私生活で実現できなかった温かい家庭を味わえてありがたいです。ただ私もハマちゃんも実年齢50歳を過ぎているので「合体」のシーンとかもう恥ずかしくって(笑い)。

新しいことにトキメキ

――いえいえ、浅田さんは本当に若々しいので秘訣(ひけつ)をお聞きしたいです。

若くないですよ(笑い)。最近すぐに疲れるし、二日酔いにもなりやすくなったし。ただ年をとると頑固になったり固定観念が強くなったりするけど、私はそういうのはないですね。いつもミーハーな感じがある。恋愛だって出会った瞬間にドキっとするとか、そういうのが好きなんです。それは人でも食べ物でも何でもありますよね。いつも自分が心地良いと思う場所だけに行くのもいいけど、例えば雑誌を見ていつもと違うレストランに行くと、あぁこんな食べ方があるのかと、ドキドキします。もちろん失敗してがっかりすることもあるけど、それも含めておもしろいじゃない。洋服も自分に似合うからと同じものばかり着ているとつまらないでしょ?

――いつもすごくおしゃれ。離婚後に洋服のセンスは磨かれたそうですね?

もともと洋服は好きでしたが、離婚後は確かに高めのブランドの服にたくさん挑戦してました。あの頃の離婚は今と違って、すごく「かわいそうな」人に見られがちだったのね。特に私は元アイドルだったから「かわいそうに、どうするの」と同情されて。実際、仕事も悲しそうなイメージの役ばっかり来るし(笑い)。そんなイメージの浅田美代子になったら嫌だと、そういう仕事はいっさい受けず、気張っておしゃれをしていました。それでお金もなくなって、よく母に「出世払いします」と借金までしていましたけど、当時があるから、洋服を始め物を見る目が養われたと思っています。

(写真)浅田美代子さんプロフィール

1956年、東京生まれ。東京女学館に通学していた時にスカウトされ、ドラマ「時間ですよ」でデビュー。その中で歌った「赤い風船」が大ヒットし、アイドルとして大人気に。77年、ラジオで共演した吉田拓郎氏と21歳で結婚し、専業主婦に。83年、ドラマに復帰して翌年離婚。以後、シングルのまま女優として着実に活動し、バラエティーでは天然のキャラを発揮する。また女性たちのファッションリーダーとしても注目を集めている。映画「釣りバカ日誌」の主人公、ハマちゃんの妻・みち子役として約12年、「さんまのからくりTV」も10年以上のレギュラーを務めるなど、息の長い活動が多い。

お知らせ
映画「釣りバカ日誌 18」9月8日〜公開

浅田美代子出演の「釣りバカ日誌18 ハマちゃんスーさん瀬戸の約束」が、松竹系にて9月8日(土)から全国ロードショーとして始まります。

シリーズ開始から20年。記念すべき通算20作目のロケ地は岡山。「日本の地中海」といわれる温暖な瀬戸内海を舞台にハマちゃん&スーさんのゴールデンコンビが大活躍します。創業以来、長年務めてきた鈴木建設の社長を退任し、会長となったスーさん(三國連太郎)が、就任早々謎の失踪(しっそう)。会社の重役たちは大騒ぎ。ハマちゃん(西田敏之)は、わずかな手がかりをもとに岡山県に旅立ちます。今回はゲストのヒロインに「武士の一分」で鮮烈スクリーンデビューを飾った檀れい、その恋人役に高嶋政伸などが出演します。

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