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ひとインタビュー殺伐とした時代に、なお美しく、お茶の間を和ませる存在でいたい 第四十五回 浅田美代子さん

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母亡き後は、犬に支えられた

――離婚後の浅田さんは恋多き女のイメージがありますよね

う〜ん、最近遠のいています(笑い)。今、一緒に住んでいる犬が年をとって病気なので、心配で仕事が終わるとすぐ家に帰っちゃうんです。いわゆる介護で手がかかるんだけど、すごくお世話になった子たちなのでね。2001年に急性白血病で急に母が亡くなった後、犬にどれだけ助けられたか。それを思うときちんと世話をしたいんです。

――お母さまとは長く一緒に住んでいらしたんですよね

そうです。離婚してシングルになりましたが、母が亡くなって初めて、本当に一人になった孤独を感じました。ずっと守られていたし、急な病気だったのでショックが大きくて。当時は何もやりたくなくて、仕事はもちろん家も一歩も出たくない。あのまま引きこもっちゃう可能性もあったけど、犬が2匹いたので、とにかく彼らにご飯を食べさせないといけないから。本当は外なんて一歩も出たくないけど、仕方がないから散歩に連れていって。でもそうすると「もう夏になったんだな」なんて季節を感じることも多くて。そうやって、あの子たちのおかげで少しずつ立ち直っていったんです。

――お仕事を続けるのも大変でしたね

別に母のためにやっていたわけではないのに、母が亡くなったら全くやる気がなくなって。ただ決まっていたドラマがあったんです。NHKの連続テレビ小説「さくら」。母がとても楽しみにしていたので絶対にやらなくてはと、それも立ち直るきっかけになりましたね。悲しみは何年たっても癒えるものではありませんけど。母の物の整理も数年できなかった。引っ越して今は何とか暮らしていますが、母の洋服の整理や引っ越し先の手配などはみんな樹木希林さんが代わりにやってくれました。彼女を始め「時間ですよ」のメンバーは今でもすごく仲がいいんです。

浅田美代子の存在意義

――昨年、そのメンバーである久世光彦さんを亡くされました

年をとって寂しいのは、しかってくれる人がどんどんいなくなっていくこと。特に私は、公私ともにしかられ慣れていたから。ちょっとでも芸能人ぶると母に「今すぐやめなさい」と怒られ、デビューの時から久世さんにはダメ出しで怒鳴られ……。母も久世さんもいなくなって今は不安で仕方がないですよ。

ただ私は恵まれているんです。今の番組はとても短いスパンで仕事が終わるでしょう。私は「時間ですよ」もそうでしたが、「釣りバカ日誌」も「さんまのからくりTV」にしても、長いスパンのものに出られているんです。それはすごく幸せなこと。それに母が亡くなってから仕事を大事にするようになったんです。流されるのではなく一つひとつきちんと取り組みたい。仕事だけじゃなくて大事なものが絞られてきましたね。

――これからやっていきたいことは?

今の世の中、毎日残虐な事件が多いでしょう。ニュースを見ていると、いじめや自殺、親子の殺人とか、信じられないほど簡単に人が亡くなっている。ドラマも簡単に人を殺すものが多いけど、私はそういうものにはなるべく出たくないんです。せっかくTVに出ているんだから、私にはもっと違うことができるのでは、と。例えば悩んでいる時にテレビを見たら、ふっと笑っちゃったり、和めるような。今の世の中だからこそ、お茶の間でそんな存在でありたいと思う。なんていって殺人鬼の役に「新たなチャレンジです」とかいって出演していたらごめんなさい(笑い)。

(写真)浅田美代子さん3つの質問
質問1
これまでの人生で最大の買い物(投資)は何ですか?

母が亡くなった後、引っ越すために購入したマンション。私は独り者だし子供もいないしずっと賃貸でいいと思ったんだけど、女優の樹木希林さんが「美代ちゃん、それはダメ」と。きちんと生活するためにも、また今購入しておけば、老後になってから嫌な仕事もしなくてすむからって、物件も探してくれました。購入したら心の中で何かが決まったせいか、人前で格好つけようという「鎧(よろい)」をつける必要がなくなりました。

質問2
こだわりがある、という生き方をしていると思う人を挙げてください

それはやっぱり樹木希林さんですね。彼女は自分だけの世界が確立されている。人にこう思われたいとか、そういうのが一切なく、洋服にしてもライフスタイルにしても、すごく自分を持っている人。私はあそこまで自分の世界を持つことはできないですね。彼女にはいろんなことでお世話になっていて、とても感謝しています。

質問3
人生に影響を与えた本は?

景山民夫さんの小説「遠い海から来たCOO」。私は本を読んで泣くことはめったにないけど、これは泣けた。筋が悲しい、というより、いろんなシーンでその絵が浮かんじゃって涙が出ました。好きでしたね。

アンケート 今回のインタビューについて皆様の「声」をお聞かせください。

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