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ひとインタビュー役柄にとことん入り込む快感 舞台に立つ瞬間がたまらない 第五十一回 神田沙也加さん

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自分の運命をもっと愛したい

14歳の時、「SAYAKA」の名前でデビュー。一時、芸能活動を休止していたが、昨年、本名「神田沙也加」で復帰した。それは同時に、自身の名前に込められた運命や環境を受け入れ、生きていく覚悟の表れでもあった。

現在、11月から上演される話題のミュージカル「ウーマン・イン・ホワイト」のけいこの真っただ中だ。舞台はいつも不安だし、恐怖も感じる。それでも一番「私」を感じられる瞬間がそこにあるのだと語る。
(取材・文/井上理江 写真/小山昭人)

――「ウーマン・イン・ホワイト」は、「キャッツ」「オペラ座の怪人」などを生み出したアンドリュー・ロイド=ウェバーの作品。日本では初上演ですね。

ローラという大役をいただいたものの、当初は未熟な私に務まるのかと不安でした。曲も難しくて、しばらくは自分のこととして考えられませんでした。でも、けいこが始まって歌い進むうちに日本人キャストとしての自覚がふつふつと出てきたのと同時に、とてもいい音楽だなって素直に思えるようになりました。今は移動中も聴き入ってしまうほど、このミュージカルの音楽にハマっています。

――ローラは、繊細で控えめな女性。難しい役と聞いていますが

ただ、同い年の役なので、今の私の感受性みたいなものをそのまま生かせると思っています。

――自分なりの、役柄への入り方はあるのですか

ありますよ。企業秘密なのですが(笑い)。私はわりと細かく役を作り上げるタイプ。その役柄のキャラクターをまず書き出します。今回ならローラの生い立ちから始まって、血液型、食べ物、癖、どんな景色が好きか、早寝か遅寝かといったことを細かく書き出す。そのうえで、私はローラとして生まれ、生きていると思って日々を暮らします。

――ふだんの生活からローラ自身に成りきるわけですか

そう。私の芝居のモットーは「思い込む、信じ込む」。演者自身が「自分はその存在であるに違いない」と信じないと、観(み)てくださるお客さんも信じられないと思うから。でも、それが結構楽しい。役のフリをして生活することが私には永遠のマイブームかも。今もどうしたら私の体にローラの魂を滑り込ませることができるか、一体になれるかをずっと考えています。今日は取材なので赤の洋服なのですが、ローラに併せて白い服をなるべく着るようにしているんですよ。

緊張感はおまじないで克服

――ミュージカルが本当に好きなんですね

はい、もう大好きです。ミュージカルの面白さは、芝居に音楽という要素が加わることでよりドラマチックに非現実の世界へと観客を誘ってくれるところ。小さいころからミュージカルで描かれる世界が好きでよく観ていました。毎回、幕が下りるたびに一種のメランコリーというか「もっとこの夢の中にいたいのに」と一抹の寂しさを感じるほどでした。

――演じる面白さは

舞台はチームプレー。みんなで何度も練習して汗かいて、悩んで、という感覚が好きです。初日が決まっているのでそこに向かって頑張るしかないし、できるようになるしかない。その道のりは確かに大変ですが、余計なことを考えず目標に突き進んでいけばいいので、私にはとても心地いいです。

――本番では緊張するタイプですか

ずっとドキドキしています。でも、舞台に立つとすごく「生きてる!」というのを感じる。だからやめられないし、追求したくなるんです。

それと、緊張しないための、とっておきのおまじないが私にはあって。

――それは何ですか

「私は、大地真央さんである」と思い込むんです。舞台だけでなく、制作発表などでも私はかなり緊張しているのですが、「真央さんなら、背筋を伸ばし、凛(りん)とした姿勢で立つよね。質問にも的確に答えるし、汚い言葉は使わないよね」と自分に言い聞かせる。これはかなり最強のおまじない。どんな深呼吸より効果絶大です。

――大地真央さんはあこがれの女性

私にとっては特別な存在。知れば知るほどすてきな方なんです、本当に。

(写真)神田沙也加さんプロフィール

1986年、東京都生まれ。父は俳優の神田正輝さん、母は歌手の松田聖子さん。99年に出演した米短編映画「Bean Cake(おはぎ)」で第54回カンヌ国際映画祭短編映画部門パルムドールを受賞。2002年5月「ever since」で歌手デビュー。03年8月、自身が作詞を手がけたセカンドシングル「garden」を発表。03年8月公開の映画「ドラゴンヘッド」に出演。04年6月にはミュージカル「INTO THE WOODS」で初の舞台に挑戦。05年5月より芸能活動を休止していたが、06年12月大地真央主演の舞台「紫式部ものがたり」で復帰。この時、芸名を「SAYAKA」から本名の「神田沙也加」に変えている。07年5月にはジョン・ケアード演出による舞台「夏の夜の夢」に出演。この秋、注目のミュージカル「ウーマン・イン・ホワイト」に出演予定だ。舞台のないニュートラルな時には料理をしてリラックスしているという。「無心になれるってけっこうすごいこと。そんな瞬間を味わえるのが私にとっては料理かな」(神田沙也加さん)。

お知らせ
ミュージカル「ウーマン・イン・ホワイト」上演案内

「キャッツ」「オペラ座の怪人」「エビータ」など、数多くのヒットミュージカルを生み出したアンドリュー・ロイド=ウェバー注目の最新作「ウーマン・イン・ホワント」が11月、日本で初上演される。

原作はウィルキー・コリンズのミステリー。異父姉妹のマリアン(笹本玲奈)とローラ(神田沙也加)、そして貧乏画家のハートライト(別所哲也)を中心に、白いドレスの女の謎、姉妹の秘めた恋など、隠された真実が徐々に明らかになっていく。息をもつかせず展開するストーリー、一筋縄ではいかないロマンスに釘付けにされること間違いなし。ぜひお見逃しなく。

  • 2007年11月18日(日)〜12月2日(日)
    東京・青山劇場
  • 2007年12月22日(土)・23日(日)
    名古屋・愛知県勤労会館

問い合わせ/ホリプロチケットセンター
TEL 03-3490-4949

オフィシャルHP

神田沙也加さん出演の舞台をもうひとつご紹介。

2007年12月より舞台「夢のひと」出演予定

  • 2007年12月14日(金)〜16日(日)
    大阪・吹田メイシアター
  • 2007年12月19日(水)
    福岡・ももちパレス
  • 2007年12月20日(木)
    大分・音の泉ホール
  • 2008年1月9日(水)〜14日(月)
    東京・池袋サンシャイン劇場
  • 2008年1月17日(木)〜2月2日(土)
    北海道公演(各地9公演予定)

問い合わせ/東京音協
TEL 03-3201-8116

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