役者にかじりついて、これしかできない、という人生にはしたくない。常にいろんな自分の可能性を試したいという思いはあります。でも、じゃあ一番何がやりたいの?と聞かれたら、迷わず「一人ミュージカル」と言う自分がいます。相当シンドイだろうし、きついのはわかっている。でも、僕の人生最大のビッグプロジェクトだと思っています。今45歳なのですが、50歳前には一人ミュージカルを実現したいです。
親や神様から与えられた才能は誰にでもあると思うのですが、僕自身の才能を最大限に発揮するとしたら、ミュージカル、そこに尽きる気がしているから。生きている証しを残すとしたら、僕はそこなんだろうと。原点は中学時代。小さいころはずっとサッカー少年だったのですが、同時にはまっていたのが演劇でした。英語劇クラブに所属していたのですが、とくに忘れられないのが、中1のとき、みんなの前で演じた「ウエスト・サイド・ストーリー」。キザな言い方ですが、舞台に立って拍手をもらった瞬間、DNAレベルで幸福感、高揚感に包まれた。多分あのとき、体が勝手に自分の存在価値はここにある、と感じたんだと思う。
生きている実感というか、今でもやはり舞台に立つと単純に気持ちいいから、そうなんでしょうね。それと99%きつくても、本番が始まると「今のはとてもいいモメントだな」という、限りなく自分の中で完全な瞬間があるんです。「今、僕は無敵だ」という誰にもとめられない、壊されない、完全無欠の瞬間。その至福の一瞬を感じたくて続けているのかもしれないですね。
ふだんはとても地味なんですよ。一人でいる時間も好きで、映画や舞台も一人で観(み)にいくことが多いですし、1日オフになれば、一人で大好きな富士山までドライブして、日帰り温泉に寄って帰ってきたりします。ただ、仕事になると「イッツ・ア・ショータイム!」って感じでオンモードにスイッチをすぐに切り替えられる。とくにミュージカルはお祭みたいなものだし、何でもせっかくやるならエンジョイしたほうが楽しいしね。
そう。夜、眠れないときは「想像タイム!」と自分でいろんなことを妄想し、楽しんでいます。たとえば、テレビのニュース風に「世田谷在住の45歳をピンポイントで招集し、今度のサッカーワールドカップに出場することが決定。彼らは3カ月で完全ボディー改造を目指す」と頭の中でつぶやく(笑い)。あり得ないことをあれこれ考えているだけで楽しくて、よく眠れるんです。
先ほど話した「一人ミュージカル」を実現すること。あとは心とからだが健康であり、どんな仕事もエンジョイしながらやっていければ十分です。とくに心がずっと健康な人でいたいですね。

「よし、買うぞ!」と一大決心をして購入したのは「エド・サリヴァン・ショー」全巻。8年ほど前、オリジナルのタップショーを作り始めるにあたって、すごく悩みながらも絶対必要だと思って買いました。実際、ものすごくいい刺激を受けました。ビートルズやローリング・ストーンズなどの映像もよかったのですが、いくつか途中に入っている一人芝居のシーンが僕は好きでした。酔っぱらいが酒を飲むところやイスを使って延々と芝居するシーンは何度も観(み)ましたね。
こだわりのある人はいっぱいいますが、あえて言うなら三谷幸喜さん。仕事上の自分のルールをたくさん、きちんと持っている人だと思います。どんなに親しくても「さん」づけで敬語で話すし、役者ともなあなあなつき合いはしない。服装にも独自の美学があり、リスペクトしています。
子どものころ、SFが大好きでした。中でも光瀬龍さんの「夕ばえ作戦」は五臓六腑(ごぞうろっぷ)がしびれるほど、ワクワクしながら1ページ1ページ読んだ気がします。多分あんなにワクワクして読んだ本はないんじゃないかな。このころから僕の空想癖が始まっているんだと思います。
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