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ひとインタビュー限界を越えた時、力は伸びる それを知ると勝負に熱くなる 第六十四回 伊達公子さん

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テニスは今でも自己表現

無垢(むく)で、弾けるような笑顔が印象的だ。世界ランキング4位まで上り詰め、日本の女子テニス界の歴史に名を残す伊達公子さん。引退後は子どもを対象に全国で展開する「伊達公子とテニスであそぼ カモン!キッズテニス」の他、テニスの解説、コラム執筆、JICAオフィシャルサポーターなど広く活躍している。

そんな伊達さんが今年3月15日、シュテフィ・グラフ、マルチナ・ナブラチロワと1日限りの、夢のプレミアムマッチに挑戦する。試合本番に向けて練習中の彼女を訪ねてみた。
(取材・文/井上理江 写真/田中史彦)

――昨年10月から本格的な練習を始めたそうですが

試合のための体を作る日数としてはギリギリ。定期的にテニスをやっていなかったので、まずはテニスに慣れ、ボール勘を取り戻さなければいけなかった。10月からほぼ毎日練習しています。やはり本番は余裕を持って臨みたいですからね。

――調子はいかがですか

今(1月末)の時点ではまだ完全ではないです。どんな球がきても迷わずに打つ、といった試合勘をもう少し呼び戻したくて、試合形式の練習に力を入れているところです。練習とはいえ、試合形式にすると緊張感も出てきます。

――練習中も一球ごとに大きな声を出していましたが

体がついてこないので、つい(笑い)。でも、声を意識的に出すことで体のコアの部分に意識が伝わるので良い方法なんです。ただ、究極にしんどくなると声も出なくなるのですが。

――ブランクを実感していますか

年齢かブランクのせいかわからないのですが、あきらかに回復力は低下しています。午前中みっちり練習すると、たいてい午後はぐったりしていますから。

グラフはあこがれの存在

――半年前から練習するのは、やはり勝ちたいから

勝ち負けにこだわる試合は現役時代に十分やってきたので、今回は「絶対に勝ちたい」とこだわっているわけではありません。でも、大好きなテニスをエキシビションマッチでやるからにはベストパフォーマンスを出したい。限られた期間の中で、どこまで自分にできるのかに挑戦したい。「勝ち負け」というより、自分自身へのチャレンジです。現役のときのように体も思うように動かないのは確か。でも、今はそのはがゆさも楽しみながら練習を続けている感じです。

――対戦するグラフ選手、ナブラチロワ選手への思いは

グラフは1990年代、ともにツアーをまわってきた相手。最強のプレーヤーであり、アスリートの先輩として常にあこがれの存在です。とくに96年、フェドカップでグラフと長時間にわたって戦って勝った場所が、今回の会場でもある有明コロシアム。同じ場所で戦えるのが今からとても楽しみ。ナブラチロワは、70年代から女子テニス界を牽引し、変えてきた大先輩。実は現役時代に一度も試合をしておらず、今回初めての対戦なんです。一度は戦ってみたかった相手だけに、本当にすごくいい機会を与えてもらえたなって感謝しています。

――ビデオを見て相手を研究したりとか

さすがにそこまではしないです(笑い)。でも、ナブラチロワはネットプレーで多彩なショットがうまい、グラフは展開が速くバックスライスでスピード感あふれるテニスをする人なので、そういう彼女たちの特徴に対応できるテニスができるよう、調整は行っています。とにかく当日は、互いのいいところを引き出し合いながら、緊張感を楽しみたいですね。観(み)てくださる人びとに「テニスっていいなあ」と感じてもらえるテニスをしたい。今はそれだけですね。

(写真)伊達公子さんプロフィール

1970年京都府出身。6歳でテニスを始め、89年高校卒業と同時にプロに転向。95年東レPPOテニスで初の日本人チャンピオンとなり、自身にとっても初のティアI(4大大会に次ぐグレードの大会)タイトルを獲得。その年、自己最高の世界ランキング4位を記録する。96年に東京・有明で行われたフェドカップでは、世界ランキング1位のシュテフィ・グラフを破り、日本を熱狂させた。ウィンブルドンではベスト4入り、8月のアメリカの大会で優勝、ツアー7勝目をあげる。同年9月、世界ランキング8位で引退を表明。98年以降、「伊達公子とテニスであそぼ カモン!キッズテニス」を全国で展開。その他にも、子どもたちにスポーツの楽しさを伝える活動を国内外で行っている。また、JICAのオフィシャルサポーターや解説者、園田学園女子大学客員教授を務めるなど幅広い分野で活躍。2001年レーサーのミハエル・クルムさんと結婚。現在は東京とモナコ半々の生活。

お知らせ
Dream Match 2008 〜伝説の女王たち〜

伊達公子さんが、世界女子テニス界に偉大な足跡を残したマルチナ・ナブラチロワ選手、シュテフィ・グラフ選手と夢の対戦を実現します。ともにライバルとして戦ってきたグラフ選手、現役時代はチャンスがなく一度も対戦したことのなかったナブラチロワ選手と、はたしてどんな試合になるのか。また、これまでのグラフ選手とナブラチロワ選手の対戦成績は9勝9敗。この2人が最後に顔を合わせたのが、1993年と94年の東レPPOテニスであり、その戦績も1勝1敗。いったいどんな対戦を繰り広げるのかも見どころのひとつ。1日限りの注目のプレミアムマッチです。

  • 日時 2008年3月15日(土)
  • 場所 有明コロシアム(東京都江東区有明2-22-22)
  • 出場選手 シュテフィ・グラフ、伊達公子、マルチナ・ナブラチロワ
  • 試合内容
    第1試合/伊達公子対マルチナ・ナブラチロワ(8ゲーム先取)
    第2試合/シュテフィ・グラフ対マルチナ・ナブラチロワ(8ゲーム先取)
    第3試合/シュテフィ・グラフ対伊達公子(3セットマッチ)
  • 問い合わせ先
    ドリームマッチチケットセンター TEL0570-06-9912
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