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ひとインタビュー人の後ろをついていくのがラク。
前を向いてさえいれば何とかなる 第六十九回 小倉久寛さん

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50歳過ぎての初挑戦は大変

稽古(けいこ)場にいる小倉久寛さんを訪ねた。頭を抱えていた。「いやあ参った。50歳過ぎてから新しいことをやるもんじゃない。なかなか大変だね」なんて言いながら。でも、その表情はどこか明るく弾んでいる。

独特な風貌(ふうぼう)とコミカルなアクションで誰からも愛されている子分肌役者、小倉さんの舞台「踊る! 職業不安定所」が4月末から始まる。劇団入団30年を目前にして初めてのセルフプロデュース公演だ。

(取材・文/井上理江 写真/田中史彦)
――そもそも今回の、初プロデュース公演のきっかけは

一昨年の暮れ、テレビ番組で踊る機会があって、役者同士が競うダンス大会だったのですが優勝したんです。それを見ていたマネジャーが「もう何年かしたらからだも動かなくなるし、今のうちに舞台で本腰を入れて踊っておくのもいいんじゃないですか」と。こっちが返事する間もなく、劇場を押さえられて、気づいたらやることになっていたという……(笑い)。

――ダンスが得意というのは意外です

いや、得意というほどではないですよ。ただ、所属する劇団「スーパー・エキセントリック・シアター」(以下SET)の芝居は、ミュージカルアクションコメディーで、踊る機会も多かったせいかダンスは嫌いじゃない。実際、音楽に合わせて踊るのは楽しいこと。でもだからと言って今回こんな難しいことに挑戦しなくてもよかったかなあと、ちょっと反省しています。

希望あるつらさで練習に励む

――と、いうと

植木豪君、蘭香レアさんというダンスのプロとの共演だし、ダンスが発端で実現した舞台だから、踊らなきゃまずいだろうと思ったのと、「へえー、こんなことできるの?」とお客さんを驚かせたいという気持ちもあり、僕にとってはかなり難しいダンスに挑戦しているのです。でも、これがなかなかうまくいかなくて。50歳を過ぎて新しいことをするもんじゃないですね(笑い)。体力的に相当無理を感じています。

――初プロデュースという点で、これまでとは違ったプレッシャーは

もちろんありますよ。「本番、うまくいくのかなあ」なんて、責任を感じちゃうのが嫌ですね。SETなら、三宅裕司さんの言うことを聞いて、気に入らなければ「嫌だ」と言えばいい。毎年ラサール石井さん、山口良一さんと3人でやっている舞台でも、「こんなのやってみようよ」とけしかけていればいい。でも、今回はそうはいかない。自分が先頭に立って動かしていく必要がある。それってあまり清々(すがすが)しいもんじゃないですね。僕には向いてないかも。人の後についていき、言いたいことを言ってるほうが楽しいんだなというのが正直なところで(笑い)。

――今まで体験したことのない苦渋を味わっているわけですね

確かにそうです。でも、そんなに悲惨ではないですよ。あくまで「頑張れば絶対にうまくいく」という希望のあるつらさですから。だからこそ、前向きに練習に励んでいるわけで。うれしいことに毎回顔ぶれの違う豪華ゲストも登場してくれる予定ですし、楽しいパフォーマンスになると思います。いや、なります。

(写真)小倉久寛さんプロフィール

1954年三重県生まれ。学習院大学法学部卒。大江戸新喜劇を経て、79年三宅裕司主宰「劇団スーパー・エキセントリック・シアター」の旗揚げに参加。以後、定期的に舞台に立ちながら映画、ドラマ、CM、声優など幅広く活躍する。この4月から放送開始のNHK連続テレビ小説「瞳」に出演。また、4月30日から5月8日まで「ペーパーエキセントリックシアター 踊る!職業不安定所」(池袋・東京芸術劇場)、さらに5月30日から6月15日まで「伊東四朗一座〜帰ってきた座長奮闘公演〜『喜劇 俺たちに品格はない』」(下北沢・本多劇場)に出演。趣味はギター、ウクレレ、サーフィン。

お知らせ
小倉久寛 初ひとり立ち公演
ペーパーエキセントリックシアター「踊る! 職業不安定所」

劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)入団からもうすぐ30年。三宅裕司さんとともにSETの顔として活躍してきた「永遠の子分肌」、小倉久寛さんが一念奮起、初のセルフプロデュース公演を行います。ボーカルダンスグループPaniCrewのメンバー植木豪さん、元宝塚の蘭香レアさんとともに繰り広げる、歌ありダンスありアクションありのエンターテインメント・オムニバス・コメディー。一つひとつのショートコントは、ラサール石井さん、寺脇康文さん、妹尾匡夫さん、森ハヤシさんが提供、さらにステージごとに豪華なゲストが出演します。ぜひゴールデンウイークは「踊る! 職業不安定所」へ。

詳細は、SETの公式サイトでも紹介しています。

http://www.set1979.com/
  • 日時/2008年4月30日(水)〜5月8日(木)
  • 場所/東京芸術劇場・小ホール2
  • 料金(税込み)/
    全席指定:前売券5300円、当日券5800円
  • 企画/小倉久寛
  • 作・演出/小野真一
  • 作品提供/
    妹尾匡夫、ラサール石井、寺脇康文、森ハヤシ
  • 出演/
    小倉久寛、植木豪(PaniCrew)、蘭香レア、水野哲也(PaniCrew) 【友情出演】平間壮一、鈴木和也、石田創
  • 問い合わせ/
    SETインフォメーション
    TEL03-3420-2897(平日11時〜18時)
    そのほか、電子チケットぴあ、イープラスなどでも発売
各公演日替わりゲスト詳細はhttp://www.set1979.com/にて発表。

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