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ひとインタビューバレエそのものが好きでたまらない 表現者であることに誇りと感謝 第七十回 ジリアン・マーフィーさん

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エネルギッシュな舞台にワクワク

くるくる動く大きな瞳、気品に満ちた美貌(びぼう)。妖精と称されるのもうなずける。世界5大バレエ団の一つ、アメリカン・バレエ・シアター(ABT)の中で、今、最も注目を集めているプリンシパル(主席ダンサー)、ジリアン・マーフィーさん。圧倒的なテクニックに支えられたゆるぎないダンスに加え、大舞台を重ねる中でスターとしてのオーラ、華やかさも増してきた。そんなジリアンさんが、今年7月、3年ぶりに来日するABTの公演で、「白鳥の湖」「海賊」、そしてトワイラ・サープ振り付けの新作に出演する。

(取材・文/井上理江 写真/小山昭人)
――日本での3年ぶりの公演。ジリアンさんにとっては3回目の来日です

日本の観客のみなさんはとても温かいので、再び日本で踊れるのがうれしい。とてもワクワクしています。

――主演される「白鳥の湖」「海賊」の魅力を教えてください

「白鳥の湖」はすばらしい古典バレエ。透明な美しさを誇る演目です。オデットとオディールの2役を通して、女性の二面性を描くことができるのがこの作品の魅力。オデットのときは自分をさらけ出して、純粋で繊細でありながらも、複雑で深い感情に満ちた彼女の「善」の心情を表現したい。一方、オディールでは官能的で華麗でありながらも、駆け引きのある、ゆがんだ「悪」の面をいかに表現するかが大事だと思っています。

「海賊」は花火のように思っていただければいいかな。主役級の登場人物が多く、それぞれに見どころのある大スペクタクルです。ノンストップアクションで躍動感に満ちあふれていて、思考を刺激するというより、見ているだけでエキサイティングできる作品。両作品ともにコール・ド・バレエ(群舞)もすばらしいですよ。

――ABTの「白鳥の湖」は、豪華で華やかな衣装とステージで有名。エンターテインメント性が高く、ニューヨークでも人気の作品です

そうですね。基本的に真実の愛、赦(ゆる)し、苦悩を描くという主題の部分は同じですが、ABTは演出のしかたが独特。たとえば、悪魔ロットバルトの二面性を際立たせるために、2人のダンサーが踊り分けています。4幕でオデット姫とジークフリート王子が身を投げて天国で結ばれる場面の演出も、伝統的な「白鳥の湖」と大きく異なります。

――今回は、世界的な称賛を浴びている振付家、トワイラ・サープの新作にも出演されますね

この新作は、ダンサーそれぞれの個性に基づいて振り付けが考えられています。だから、この新作がダンサー自身にとって特別なものになると分かっています。ダニー・エルフマンがこの演目のためにすばらしい曲を書き下ろし、衣装デザインはノーマ・カマリ。作品はコンテンポラリーでありつつ、武術やコメディーっぽい動きが随所にちりばめられています。トワイラ・サープは、エネルギッシュでインスピレーションをわかせてくれる女性。要求は極めて高いですが、それだけに私にとってもとてもいい経験です。

スニーカーのつま先がボロボロになるまで

――ジリアンさんがバレエを習い始めたのは3歳でした

踊るのがとにかく楽しくて大好きで、スニーカーのつま先がボロボロになるまで家の中でずっと踊っていました。10歳でトーシューズを買ってもらったときには、もうプロになろうと決めていました。

――バレエのどんなところが楽しかったのですか

もともとシャイだったのですが、バレエのスタジオでは思う存分自分を表現できたことですね。たぶん、私にとって究極の自己表現手段を見つけたような、そんな喜びがあったのだと思います。

――高校を飛び級で卒業し、17歳でABTへ入団。ABTを選んだのは

世界中のスターダンサーが所属するバレエ団で、少女のときからあこがれていました。私には、ABTという名前そのものがもうキラキラ輝いて見えました。実際、オーディションを受けに行ったとき、他のダンサーたちが人を巻き込むようなエネルギーに満ちあふれていて感動したのを覚えています。

(写真)ジリアン・マーフィーさんプロフィール

英国ウィンブルドン生まれ、米国育ち。3歳のときにベルギーでバレエを始め、5歳からサウス・カロライナのフローレンスでバレエを続け、コロンビア・シティ・バレエに加入した後、ノース・カロライナ芸術学校で学ぶ。1994年、15歳でジャクソン国際バレエ・コンクールの最終選考に出場し、95年にモスクワのボリショイ劇場で行われたローザンヌ国際バレエ・コンクール最終選考でエスポワール賞を受賞。翌年、米国芸術振興協会のレベル1賞を受賞し、大統領選定奨学生候補に選ばれた。98年にはグレース王妃米国財団から奨学金を授与されている。96年8月、アメリカン・バレエ・シアター(ABT)にコール・ド・バレエ(群舞)として入団、99年にソリスト、2002年にはプリンシパル・ダンサーへと昇格していった生え抜き。現在は、スターが多いABTの中でも最も注目を集めているプリンシパルで、バレエ団も一押しのダンサー。ABTのDVD「白鳥の湖」でアンヘル・コレーラと一緒に主演している他、08年公開予定の映画「センターステージ2」にも出演。

お知らせ
ゴージャスかつパワフルなバレエ団
ABTが3年ぶりに来日!

1940年に創立。アメリカの「生ける至宝」として、国内だけでなく、世界5大バレエ団の一つとして、42カ国以上で公演を行っている人気バレエ・カンパニー、アメリカン・バレエ・シアター(ABT)。世界中のスターダンサーが所属し、愛されているバレエ団です。このABTが今年7月、3年ぶりに来日公演を行います。今回インタビューさせていただいたジリアン・マーフィーさんを始め、ABTのスーパースターたちがそろって来日。2002年公演で完売の人気演目「海賊」のほか、ニューヨークでも大人気のマッケンジー版「白鳥の湖」を日本初披露。さらに「ABTオールスター・ガラ」ではトワイラ・サープ初演作も上演するなど、作品も充実。存分にバレエの魅力を見せてくれます。

  • 日時/
    2008年7月17日(木)〜7月25日(金)
  • 場所/東京文化会館
  • 主催/
    朝日新聞社,ジャパンアーツ,TOKYO FM
  • 後援/アメリカ大使館
  • 問い合わせ/
    ジャパン・アーツぴあ TEL03-5237-7711(受け付け10時から18時、土日も受け付け)。
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