朝日新聞がビートルズ世代に贈る、こだわりエンターテインメントサイト

メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

ホーム設定

Special Contents ひと

  • インタビュー
  • フロントランナー
  • トップ
  • 地球発
  • マネー
  • ライフスタイル
  • 極める
  • からだプラス
  • エンタメ

記事を印刷
  • バックナンバー

ひとインタビューバレエそのものが好きでたまらない 表現者であることに誇りと感謝 第七十回 ジリアン・マーフィーさん

  • 縦書きスタイルで読む
  • ページ1
  • ページ2

信頼が大役につながる

――コール・ド・バレエを経て、20歳でソリスト、22歳でプリンシパルへと昇格。たたき上げでステップアップされています

入団して2日後にはリオデジャネイロの舞台に立っていました。実は入団するまでコール・ド・バレエの経験はありませんでした。いつ、どんな本番が訪れても、すぐに踊れる技術と集中力を持ち合わせていることが、ここではごく当たり前に求められます。実際、あるツアー中、本番に急きょ出ることになったのですが、ずっと一人で練習していたのですぐに踊れました。それが信頼につながり、大役をもらえるようになっていった。チャンスが訪れたときに、ちゃんとそのチャンスをつかめるだけの切磋琢磨(せっさたくま)、準備をしているのがよかったのかも。ただ、それは私だけでなく、ABTの団員誰もがしていることだと思うけれど。

――配役もご自身にとっていいステップになったそうですね

「海賊」のギュルナーレ、「ジゼル」のミルタ、「ラ・バヤデール」のガム・ザッテイ、そして、「ドン・キホーテ」のキトリ、「白鳥の湖」のオデットと、徐々にステップアップしていくような形で役柄にめぐり合えたのがラッキーでした。お陰で自分自身の力量を発展させやすかった。ちなみに今年は、「ラ・バヤデール」のニキヤに挑戦することが決まっています。

――役作りはどんなふうにされるのですか

自分のやり方が特別とは思っていませんが、プロセスを言うと、まず振り付けを覚えます。そのうえで演じる役のモチベーションや背景、求めているもの、価値観は何かを考え、それを自分自身のキャラクターと引き合わせて出していく。どんなふうにその役を演じ、踊るかを決めておきつつ、本番では同時に、音楽を聴いた瞬間に感じたものをそのまま出すことも忘れません。それだけ豊かな感受性もバレエには必要なのです。絶対に、前にやったことをなぞってはいけないと思っています。

恋愛や余暇も私の人生

――バレエはセリフもなく、体と踊りで表現するところが大変なのでは

そうですね。でも、そこが魅力。バレエは音楽も感情も表現できるし物語を語ることもできる、すばらしい芸術です。私が今なお追求し続けているのはテクニックではなく、あくまで自身の芸術性なんだと思う。これまで自分が体験してきたことや物事の考え方、音楽を聴いて感じたものなどすべてを、一瞬にしてバレエという手段を使って、自分にしかできない発想で表現する。それに挑戦し続けている感じですね。

――ご自身のバレエを構築するうえで影響を受けている人はいますか

すばらしい先生に恵まれ、感謝しているし、ABTのダンサーから刺激されることも多いです。でも、他の人は私を手助けできても、どんなバレエを踊るかは私自身の選択で決まっていくもの。踊っている瞬間に「自分」が存在するように、いかに全身全霊で立ち向かい、いかに自分をさらけ出していくか。それしかない。アーティストとはそういうものだと思います。

――バレエをやめたいと思ったことは

一度もないです。本当に心からバレエを愛しています。私の心を突き動かしてくれるのはバレエ。食事や睡眠と同じくらい私にとっては当たり前のものであり、なくてはならないもの。表現者としてだけでなく、観客としてバレエのステージを見ることも大好きですね。

――では、これからしたいことを教えてください

ファミリーを持ちたい。いつか人に教えるようにもなりたい。バレエ以外の、読書や美術館めぐり、自然とのふれ合い、友人との語らい。そして、パートナーの存在など、私の人生に不可欠なものを大切にしていきたいです。

――日本では若い女性や子どもたちにバレエが静かなブームです

バレエはワークアウトとしても最適だと思います。身体的な要求度も高いですし。とくに女性の場合、優雅さ、エレガンスを使うことになるので、ただ鍛えるだけでなく、女性らしい柔らかで、しなやかな体を手に入れることができると思います。

――バレエをレッスンする子どもたちが、ジリアンさんのようなバレリーナになるためには

踊りが大好きであることが大前提。運も必要だけれど、とにかく自分で決めたら、その気持ちに確信を持って練習を続けることが大切。そして、そんなふうに踊っている瞬間を心底楽しんでほしいですね。

(写真)ジリアン・マーフィーさん3つの質問
質問1
これまでの人生で最大の買い物(投資)は何ですか?

自宅で飼っている猫。アビシニアンのメス猫で、名前はセーラ。はっきりした性格で、愛にあふれていて、私にとっては特別な存在です。

質問2
こだわりがある、という生き方をしていると思う人を挙げてください

ABTのプリンシパルであり、プライベートでもパートナーのイーサン・スティーフェルかな。付き合い始めて10年になります。彼は私にとって人生そのもの。生涯かけて愛をささげたい男性です。とてもユーモアがある人で、面白くて。いつも一緒にいて驚かされます。彼は私の人生の軌跡、個性をとても尊重してくれます。

質問3
人生に影響を与えた本は?

ヘルマンヘッセの「シッダールタ」。青年シッダールタが、人生の真理を求めて修行し、人生の悟りの境地にいたるまでを描いた小説です。自分の人生の旅路を歩んでいけば、おのずと自身が満たされるところにいけるものなのだと教えてくれた1冊です。

アンケート 今回のインタビューについて皆様の「声」をお聞かせください。

前のページへ
画面トップへ

※当サイトの推奨ブラウザは、Windows Internet Explorer6.0以上、Netscape7.0以上、Firefox 1.0以上、Macintosh Safari 1.0以上となります。
Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
どらくに掲載の記事・写真の無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。

©朝日新聞社
無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。