朝日新聞がビートルズ世代に贈る、こだわりエンターテインメントサイト

メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

ヘルプ

  • トップ
  • 地球発
  • マネー
  • ライフスタイル
  • 極める
  • からだプラス
  • エンタメ

  • 縦書きスタイルで読む
  • ページ1
  • ページ2
  • ページ3

毎日役を演じられる幸せ

その穏やかでどこかコミカルな存在感と、確かな演技でドラマに映画にひっぱりだこの小日向文世さん。お茶の間では遅咲きの感があるが、実は舞台経験は長い実力派。今の彼を作った北海道での幼少期から内省的な青年時代、俳優を志してから今までのある意味苦難の道をユーモラスに語ってくれた。
(取材・文/田中亜紀子 写真/田中史彦)

北海道が自分を作ってくれた

――TSUTAYA主催アンケートの名脇役ナンバー1おめでとうございます

こんなうれしいことはありません。主役に比べて脇役俳優は圧倒的に数が多いのに、その中で一番に選んでいただいたんですから、光栄です。

――10月には主演映画「サイドウェイズ」も公開。常に多忙の中、「ゆとりツーリズム北海道」のPR担当「ゆとり旅案内人」もされています

僕は18歳まで北海道にいたので、いつかこういう仕事をしたかったんです。北海道はうそ偽りなくすばらしいとお勧めできるし、その豊かな自然が現在の僕を形作ってくれたと思っています。昔からどこまでも続く空が大好きで、高校の頃は美術部で空ばかり描いていました。夜も空を見つめてはラジオの深夜放送をオールナイトで聞いていた。朝になり窓を開けると、始発の汽笛の音と共に入ってくる冷気を感じながら朝の空を見つめる。冬は隣の家の屋根に音もなくつもる雪が、月明かりに映えるのを見つめていた、すごく内省的な青年でした。北海道って住宅密集度が高くないから、いつもちょっとだけ寂しい感じがあって。でもそれは嫌な寂しさじゃない。思春期に恋をした時には、何とも言えないセンチメンタルな気分でしたね。

――小さい頃から内省的に

いえいえ。3人兄弟の末っ子で甘やかされて、家の中で3人楽しく遊んでいました。兄が雑誌の付録のソノシートをかけて、リクエストごっこをしたりね。スキーも大好きでした。僕も自分の子どもに同じ楽しい思いを味わわせたくて、今も冬はニセコのスキー場によく行きます。

――俳優にはいつ頃から興味を

俳優を意識したのは大人になってからですが、小学2年生の時、学芸会で「こぶとりじいさん」に出たことが人前で何かを演じた原体験です。その時、舞台装置にクマザサが多く使われ、幕が上がる前の緊張の中、ササのにおいと客席にいる保護者のざわめきにわくわくしたことが、ずっと心の奥にありました。高校生になるとなぜか引っ込み思案になったのですが、卒業後は上京してデザイン学校に入学。その冬にスキーで複雑骨折をしてしまい、6回も手術して約2年間棒にふったんです。

――その後は写真に進路変更して

自分がやりたい何かを探していたんでしょう。でも写真を始めても何かが違うと思っていた。一体何をやりたいのかと突き詰めていったら、恥ずかしながら俳優になりたい気持ちが出てきたんです。当時、友達がミュージシャンとしてデビューしていて、僕は原宿でアルバイトしながらその友人を通して芸能界を垣間見る位置にいた。友人が注目されているのもうらやましかったけど、この世に生まれたからには、小日向文世という存在をアピールしたい、自分を見てもらいたいと強く思った。それまでは目立たない存在で、自分が俳優になりたいと思うこと自体が恥ずかしいことだったけれど、自分に正直になったらそこに行き着いてしまったんです。

(写真)小日向文世さんプロフィール

1954年北海道生まれ。東京写真専門学校(現・東京ビジュアルアーツ)卒業。中村雅俊の付き人を経て、77年、串田和美主催の「オンシアター自由劇場」に入団。19年間在籍し、看板女優の吉田日出子の相手役を務めるなど活躍。96年の劇団解散から映像の道へ。ドラマ「HERO」にレギュラー出演し、そのコミカルな演技が注目された後、多くのドラマや映画に出演し、お茶の間の人気者に。「救命病棟24時(第2シリーズ)」「さよなら、小津先生」「木更津キャッツアイ」など人気ドラマに出演し、2008年には「あしたの、喜多善男〜世界一不運な男の、奇跡の11日間」で初の連続ドラマ主演。映画では「ALWAYS三丁目の夕日」、「木更津キャッツアイ」シリーズ、「ザ・マジックアワー」など。04年の「銀のエンゼル」で主演し、この秋にも主演映画「サイドウェイズ」が公開。

次のページへ
バックナンバー

関連ページ

画面トップへ

※当サイトの推奨ブラウザは、Windows Internet Explorer6.0以上、Firefox1.5以上、Macintosh Safari 1.3以上、Firefox1.5以上となります。
Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
どらくに掲載の記事・写真の無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。

©朝日新聞社
無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。