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大きな愛を感じさせる歌を歌いたい

妖精のような声とその姿で、デビュー以来立て続けにヒットを飛ばした太田裕美さん。2人の息子の子育てが落ち着いた後、本格的に復帰したその姿と変わらない歌声に驚いた人も多いだろう。そんな彼女が近年結成したユニット「なごみーず」の活動、若き日の思い出、そして復帰後のライブへの思いや家庭の話などをユーモアたっぷりに話してもらった。
(取材・文/田中亜紀子 写真/小山昭人)

――ソロと並行して数年来活動している3人のユニット「なごみーず」のライブが5月で150回を重ねるとか。元かぐや姫の伊勢正三さんと、元ガロの大野真澄さんとの結成のいきさつは

今年で結成6年目ですが、すごく自然発生的な成り行きです。正やん(伊勢さん)とは、デビュー以来曲を作っていただいたりしてお付き合いが長いんです。2004年の私のライブにゲストで出ていただいたら、とても楽しかった。今度は逆に正やんのライブに私がゲストで参加、とお互いに呼び合っているうちに、ある時大野さんが乱入してきた(笑)。というか、大野さんをサプライズゲストでお呼びした時、お客さまも私たちもすごく楽しかったので「仲間に入ってよ」と。特に長く続ける計画ではなかったのですが、全国のあちこちから3人を呼んでいただき、今も続いているんです。

――「なごみーず」の名前の由来は

3人のライブが増えてきた頃から、何かユニット名を付けようと話していたのですが、私以外は誰も考えてくれない。それなのに私が出す案はみんな却下される(笑)。ようやく50回目ぐらいのステージ上で決まりました。いつもライブの主催者側から「観客の方がニコニコしてうれしそうに帰っていったよ」と教えていただいていて、ステージの上からもみなさんが幸せそうな笑顔でなごんでくださっているのがよく見えたので、「なごみーず、はどう」と提案したら即決。実際、ステージ上で演奏している私たち3人も、とても楽しいんです。

3人とも音楽性は違いますが、お互いの音楽がすごく好きでリスペクトし合っている。それこそ今度でライブが150回目になり、リハーサルを含めると千回を超えるほど一緒に演奏してきたことになりますが、毎回お互いの曲にコーラスを付けたりしながら、飽きずに新鮮な思いで演奏を続けています。

大人が青春のよき日を重ねられるライブ

――ある年齢以上の方にとっては、夢のような3人の組み合わせですよね

お客さまは青春のよき日を思い出して楽しんでくださっているようです。それこそ三十数年ぶりにライブに来たというお客さまも多くて、自分が学生の時に聴いていた歌手が3人で歌い、どの曲もみんな知っているから、本当に満足だったと言ってくれる。それに正やんも大野さんも、とってもすてきに年を重ねていてチャーミングでしょう。自分が青春時代に好きだった人が、そんな風に年を重ねた姿を見ると、ファンでいてよかったとうれしい気持ちになるし、自分もそんな風に年を重ねたいと思いますよね。

――150回目の「なごみーず」ライブで何か特別な仕掛けは

150回を記念してCDを作っています。100回目の時にも何かなごみーずのメモリアルになるようなものが作りたくてライブCDを作り、会場限定で販売しました。150回目の今回は、前回のライブCDに入っていない曲も含めて、スタジオで録音したCDを販売します。

なごみーずの活動がここまで続いていることを知ると、音楽仲間はみんな驚くんですよ。普通、ソロの人たちがユニットを組んでも短期間で終わるし、バンドだってケンカ別れするでしょう。こんなに仲良く6年間、150回目のライブまで続けて来られたのは奇跡だと思う。いつまで続くかはわかりませんが、たとえ年に数回だけのライブになっても、途切れずに続けられたらいいですね。そのためにはお互いに健康で精進し、音楽的に刺激し合っていくことが大事ですね。

――テレビのお仕事のきっかけは、沢田研二さん(ジュリー)のファンだったからだとか

高校生の時にスクールメイツに応募しました。歌手の後ろで踊る役割なので大好きなジュリーに会えるかもしれないと(笑)。実際、何度かお会いできました。当時高校ではクラシックを専門に学ぶ声楽科にいて、音楽は好きでしたが、クラシックはどこか型にはまっているように感じていたんです。スクールメイツと連動していた東京音楽学院に入り、課外活動の形でポップスの勉強を始めたら、こんなに楽しい音楽があったのかとうれしくて。この時の同期に後のキャンディーズになるラン(伊藤蘭さん)とミキ(藤村美樹さん)がいました。

――デビューのきっかけは

スクールメイツの活動が終わり、「ステージ101」という番組に個人名で出ていましたが、周囲はプロへの道を考える意識の高い人ばかり。私は歌が好きでも、プロを目指すまでは真剣に考えていなかったので、「こんな自分がここにいていいのか」との思いを抱えていました。でもスクールメイツから4年半、ライブハウスでピアノの弾き語りを始めたら、急にデビューが決まったんです。あれよあれよと進み、自覚が得られないままデビューしてしまった。ただ見本盤の「雨だれ」のソノシートを、一緒に暮らしていた祖母に見せたらすごく喜んでくれて、その時「ああ私はデビューするんだ」と実感がわいたのを覚えています。

――デビュー曲「雨だれ」の翌年、「木綿のハンカチーフ」がヒットしてあっという間に人気者に

実は当時のことは忙し過ぎてほとんど記憶にないんです。あの頃、フォーク系の歌手はレコーディングしたらツアーに出て、たまにラジオの深夜番組などに出演する、といった活動形態。一方、アイドル的な歌手はテレビ番組の出演や雑誌の取材が中心。私はその両方の役割をしていたので、通常の2倍忙しかった。年に130本ぐらいコンサートをやり、アルバムは2枚、シングルも3枚出し、合間に取材も受けてテレビにも出て……。寝る間もないほど多忙な上、最初の数年は埼玉県春日部市の実家から通っていたので本当に大変でした。あの殺人的なスケジュールをこなせたのは若さゆえですね。

(写真)太田裕美さんプロフィール

1955年東京都生まれ。上野学園音楽学校声楽科声楽コース在学中に、スクールメイツのオーディションに合格。74年「雨だれ」でデビュー。「たんぽぽ」「木綿のハンカチーフ」「九月の雨」など立て続けにヒット曲を出す。27歳の時に充電のため米ニューヨークに滞在。帰国後も幅広い音楽活動を経て、85年音楽プロデューサーと結婚。89年に長男、91年に次男を出産し、主婦業を優先していたが、92年から音楽活動を再開し、ライブ活動を中心に活躍。2002年にはNHK朝の連続テレビ小説「さくら」でヒロインの母親役を演じる。06年には22年ぶりのオリジナル・フル・アルバム「始まりは“まごころ”だった。」をリリース。昨年発売したシングル「初恋」も話題に。近年、伊勢正三さんと大野真澄さんと共に結成したユニット「なごみーず」の活動が活況。全国を回ってツアーを行っている。

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