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追跡!フロントランナー

信念と自らの行動力を信じて、各界で疾走する「フロントランナー」たちに迫ります。
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第五回 リーファース社長 水野葉子さん(みずの・ようこ)さん 〜食の「履歴書」信頼できると太鼓判押す〜

beフロントランナーロゴbeフロントランナー 2004年5月1日付け紙面から
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安心のレベルアップを生産、消費の現場から

――食の安全が揺らぐなか、トレーサビリティーの認証はどのような意味を持つのでしょうか

水野

農薬や添加物の使用を制限するわけではないので、安全を保証するものではありません。生産履歴をたどれるシステムがあるということを第三者が確認し、一つの安心のレベルをクリアしたと言うことはできます。メリットは、最終製品に何か問題があったとき、即座に対応できるしくみができること。生産、加工サイドでは意識改革になると思います。

――生産情報公表JASとは

水野

牛肉は牛肉トレーサビリティー法で、生年月日や管理者の連絡先などの情報の届け出が義務づけられました。生産情報公表牛肉JASは、これにえさと医薬品の情報を加え、第三者機関が認証するという、世界的にもまれな制度で、昨年12月に始まりました。今後豚肉と農産物が対象に加わっていく予定です。ただしこれは義務ではなく任意の制度です。

制度の定着追求

――関心は高いですか

水野

生産者からの問い合わせが多く、量販店も関心をお持ちのようです。4月15日に鹿児島と同時に北海道の宮下牧場、JA全農やイオンの加工場なども認定を取ったので、店頭でわずかながらJASマーク付きの牛肉パックが出るころです。

――消費者はそれで何がわかるのですか

水野

パックの表示をもとに、インターネットやファクスを通して、牛がいつどこで生まれ育ち、どんな飼料、ホルモン剤を与えられたかの情報を見られます。消費者が評価してこそ、制度が広く定着すると思います。

――すでに事業としてトレーサビリティー認証をしていました

水野

納豆や米の認証のほか、全農安心システムの検査もしています。産直など二者認証の宅配システムの中で、サンプリング検査をしてほしいという依頼もあります。食の安全への関心が高まれば、この事業のビジネスとしての広がりが出てくると思います。

――検査の実際は

水野

申請してきた農場や加工場に出向き、栽培記録や加工過程の記録をだれがつけ、どこで管理しているか、最終製品から最初までたどっていけるか、書類などを見て確認します。天井のペンキがはがれていたら、それが落ちて製品に混入しないかとか、消毒液の保管や管理がきちんとされているか、消費者の厳しい目で見ます。

――日本オーガニック検査員協会の理事長でもあります

水野

帰国して自然食品店で高価な有機野菜を買っても、本物かな、という疑問があって。最初はボランティアでも、と検査員になったら、オーガニックブームがバーンと来た。有機の歴史、思想がわかっている検査員を増やさないとだめだなと感じました。アメリカで検査員の講習を終えた人と2人で協会を立ち上げ、養成を始めました。00年にNPO法人になり、講習会の卒業生は約600人になりました。農水省から、検査員と判定員の技術向上セミナーの事業を受託しています。でも、この仕事だけを職業としている人はまだわずかです。

――始まって4年の有機JAS制度をどう評価されますか

水野

表示を規制する制度です。有機農産物は農薬にも化学肥料にも頼らずに栽培する。それを原料とする加工品ともども、第三者機関が認証したものだけが「有機」と表示できます。都心のスーパー、コンビニでは有機のJASマークを見ますよね。ただ、有機というのはまだ全体の0.15%で、おおむね横ばい。認証を取っても売れなかったという声も聞くし、消費者が有機の定義をわかっていない面もあります。

食育に力入れる

――表示も読みこなせません

水野

農水省の4月からのガイドラインでは、「有機」以外の表示は「特別栽培農産物」のみです。これは農薬、化学肥料の双方を、各地域の慣行より5割以上減らしたもの。以前は、「無農薬」「減農薬」「無化学肥料」「減化学肥料」の表示がありましたが、定義があいまいだなどの指摘があり、やめたのです。ただ、このガイドラインに強制力はありません。こうした表示の読み方や、店頭で好まれるまっすぐなキュウリをつくるのに、過剰なコストがかかっている実態などを、「食育」として多くの人たちに丹念に伝えていきたいと考えています。

――交友関係も広いですね

水野

藤本敏夫さんとは講演会で知り合って、意気投合したんです。妹のようにかわいがっていただいて。音楽評論家の湯川れい子さんも母のような存在です。10年前、通訳の仕事をしていたら偶然居合わせて。「あなたは愛にあふれているけど、力も必要よ」なんて言われました。検査員協会の仲間はもちろん、英会話教室の教え子から、農水省の官僚の方々まで、悩んだときに支えていただいています。共通するのは、正義感とその人なりのポリシーがあること。私と同じように楽しいことが大好きな人たちです。

ココパラの休日

――伊豆に畑があるそうで

水野

知人から2反ほど借りて、仲間を募って月1度ぐらい通っています。この間行ったら、草ボウボウで大変でした。もとからあるニューサマーオレンジをちょっと収穫しました。参加者が各自、育てたいものを植えるんですが、大根とかイモ、ショウガなどがおいしいです。土に触れると、体にたまった電磁波が抜けていくみたいで、私のいやしの空間。「ココはパラダイス」、略してココパラって名前です。農作業のあとみんなで温泉につかって知人の家でお酒を飲んで雑魚寝して。楽しいですよ。

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