九州・福岡で、女ばかり23人のデザイナー集団を率いる。
デザインを専門に手がける事業所は全国で2700近いが、9割は社員9人以下。アパレルに限れば、00年末の全国調査で、10人以上の事業所は15だけだ。
生地やプリント柄、店舗の内装、ポスターや包装紙など、多様な分野をこなすデザイナーをそろえ、マーケティング担当者も置く。扱うのは、スーパーや通販で売られる衣類や雑貨類のデザイン。「量販店ゾーン」と呼ばれる幅広い客層が対象だ。
83年に起業した。東京の同業者から「地方の連中にデザインがわかるか」と冷笑された。名刺を渡した相手から「バーか何かですか」と言われた。経営者の交流会では、男性社長から「酌をしてくれ」とグラスを差し出されたこともある。
めげなかった。
「服も雑貨も、消費財の9割は女性が買う。女性が洋服を買う最大の要因は何だと思う? 気分転換なのよ。女が『気持ち』で買っていく。女のマーケットは女が攻める方が、ずっと合理的でしょ」
取引先は、量販店、通販、商社などで、各業種のトップ5に名前が挙がる企業を選んできた。一流の企業と組み、一流のノウハウを学ぶのが成長の早道と考えたからだ。
社名は中世のフランスで、剣の腕と美男子ぶりで名をはせた近衛兵部隊からとった。ピンと襟を立てたシャツとひざ丈のタイトスカートが「戦闘服」。自分を、そして女性を最も美しく見せる姿だと思うからだ。
変化激しい業界で、こだわり続けるテーマがある。手仕事、産地、そしてアジアだ。
国内の衣料品は、安価な輸入品に押され、生産量は20年前の4割に減った。産地を回れば、工場閉鎖の報ばかり。職人が働き口を失えば、彼らの手に宿る技術も絶える。同じ「ものの作り手」として強烈な危機感を抱いた。
95年から日本貿易振興会(ジェトロ)の委嘱で、海外の産地を歩き、日本で売れそうな雑貨を発掘している。アジア各地ですぐれた職人の技と出会うたびに、日本の産地がたどった道が脳裏をよぎる。
こうした気持ちを形にしたのが、「ハカタ・ジャパン」の開発だった。衰退著しかった福岡の伝統工芸品、博多織を使った。地元の工業組合の委託を受けて、靴やバッグのブランドを立ち上げ、00年に日米市場で売り出した。米国の展示会は大盛況。日本でも、経済産業相が「需要拡大策の好例」として国会で紹介した。
同じ手法をアジアでも試みる。ラオスでは上質の絹織物が買いたたかれているのを見て、ブランド化を提案。いま、同国初の絹織物のナショナルブランドづくりが進む。正当なビジネスの手法で、消えゆく技術を守る。そんな難題の答えを探して、日本を、アジアを、駆け回る。
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