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追跡!フロントランナー

信念と自らの行動力を信じて、各界で疾走する「フロントランナー」たちに迫ります。
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第三十回 ホッピービバレッジ副社長 石渡美奈(いしわたり・みな)さん 〜懐かしの飲料を若者向けに〜

beフロントランナーロゴbeフロントランナー 2007年8月18日付け紙面から
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転機
工場全員の辞意で対話不足悟った

社員との懇親会。「乾杯!」の代わりに高い声で「ホッピー!」と叫ぶことになっている=東京・赤坂で

「ちょっとお話が……」

暗い顔で工場長が言った。瞬間、胸ポケットに辞表を入れていると感じた。昨年2月のことだ。「もう一緒にやっていけない」。工場で働く20人全員が辞意を明らかにしていると言う。

97年の入社当時、社内には派閥があった。社長派と父方のいとこにつく反社長派だ。03年に副社長になり、社内改革を進めようとすると、立ちはだかったのは反社長派だった。いとこは会社を去り、10人ほどが続いた。その時味方してくれた工場長を追いつめてしまったのだ。

経営について勉強しようと、一昨年秋、中小企業の業務改善策を教える小山昇氏の塾に入門。教わったことを次々、自社にも採り入れようとした。

全社員との連絡を密にしようとボイスメールを導入。社員が一体になれるよう、全社員で毎朝掃除をすることにした。

「正しいことだと信じていたので、なぜそうするのかを社員に伝えなかった。私がどこへ突っ走っていくのか、みんなが不安に思っていたことに気づかなかったんです」

工場長らの反発に動揺し、小山氏に連絡した。駆けつけた小山氏は社長、工場長、自分の3者の思いをくんだ解決をした。

「あなたが正しい」と小山氏が語りかけると、工場長は「副社長に協力したい。だから、私たちに説明してほしいのです」と涙を流した。社長の父には「手を離してもいいが、目は離してはだめだ」と諭した。

人の心をつかめなければ経営者になれないと悟った。研修や会議では社員の意見を聞き、会社のルールブックを配って年度計画などを徹底した。社員の貢献に気がつくと「ありがとう」とはがきを手書きする。その数、月に50〜60通。「メールで気持ちは伝わらない。もっとちっちゃいことにも気づいて、年間、千枚は書きたい」

騒動から10カ月後、月2億円の売り上げ目標を達成できた。

「全社員が心を一つにして頑張った結果。それがうれしい」

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