朝日新聞がビートルズ世代に贈る、こだわりエンターテインメントサイト

メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

ヘルプ

  • トップ
  • 地球発
  • マネー
  • ライフスタイル
  • 極める
  • からだプラス
  • エンタメ

「どらく編集委員」通信

  • 「どらく編集委員」通信トップへ
  • バックナンバー

名前のド忘れに困って どらく編集委員 松任谷 正隆さん

ボケが進んでいる、と思う。このあいだ、ゆずの北川悠仁君の名前が思い出せずに2日間苦しんだ。数カ月前には相棒の岩沢厚治君の名前が飛んだ。困ったものである。彼らとの距離感が微妙なせいもあるかもしれない。アーティストとしては仲良しだと思っているが、しょっちゅう一緒にいるわけでもない。仕事は数曲一緒にしたくらい。このくらいの距離感の人たちが実は一番やばい。つまり名前を忘れやすい。これを見たら彼らはショックを受けるだろうな。でも仕方ない。ボケだ。ボケのせいなんだ。

では、忘れた時のことを思い出してみよう。ゆず……えーと、誰と誰だっけ。と、自分の中で問いかけた。そう、人から聞かれたわけじゃない。自分で自分のボケ具合を試したのだ。で、最初に「岩」という文字が浮かんだ。岩沢君の顔が浮かんだのだ。そして次に北川君の顔が浮かんだ。えーと……。名前が出てこない。うなっても出てこない。しばらくいろいろなことを考えた。2文字だったな。○○だ。そこにいろいろな文字を当てはめてみた。村、とか、山、とか。今考えてみると川がつくわけだから、もう一歩のところだったのかもしれない。でも村と山で諦めて、岩のほうを先に考えることにした。岩……山じゃないし、岩……田でもないし、岩……村じゃない。しばらく考えるのをやめようと思った瞬間、岩沢という名前がするっと出てきた。ものすごくすうっとした気がした。ああ、これならもう一人の名前も思い出せる。と思ったのが逆にプレッシャーになった。

思い出せない時の心理状態は、ものすごく追いつめられたような気持ちである。どうなんだ、どうなんだ、どうなんだ……。結局もうひとりも沢がつくんじゃないか、と思うようになった。○沢。小沢か? いや、そんな名前じゃなかった。と、こんなことを繰り返し2日間が過ぎた。もちろん、四六時中彼の名前を思い出そうとしていたわけではない。でも、折に触れ、思い出そうとしていたことは事実だ。思い出すとプレッシャーを感じ、結局出てこない。最後は何のことはない、何もなしにするっと出てきた。北川君じゃないか。

この歳になると人の名前は飛ぶ、とよく聞く。でも、これはちょっとひどいんじゃないか、と思う。どのタイミングで病院に行ったらいいんだろう。ふざけているようでも実はけっこう深刻に考えている。今はこのあいだ、一緒に仕事をした、いきものがかりのメンバーの名前を思い出せないで苦しんでいる。誰も僕を助けないでください。

私のお気に入り

写真

Pottery Barn の
フレグランスディフューザー(Winter Forest)

またまた面倒臭いものを紹介しちゃいます。米インテリア・雑貨ショップ「Pottery Barn」 のフレグランスディフューザー。それもWinter Forest という匂い限定です。

最初、ディフューザーなるものの存在を知らなくて、単純にポプリを買いに行きました。アメリカではポプリはうんと日常的なものですから、どこでも売っていると思った。ところが、ある年ショッピングモールに行ってみると、あの形状のものはほとんどない。その代わりに、このビンに棒を何本か差したような、変な物体を多数発見。これがポプリの代わりになるものだ、と知るのはさらに時間がたってからなんですけどね。それ以来、少しずつ買っては試した。で、最終的に行き着いた匂いがこれ。これ、本当に幸せの匂いがします。言葉ではなかなか表現が難しいけれど、人工的でない。人工的に作ったものなのに、自然の中にいるようです。部屋の中が澄み渡ったような、凛とした空気になる。雪が降っていなくても、外が雪のような気持ちになる。外が雪で、部屋の中は暖炉の匂い。そうか……暖炉の匂いに通じるのかもしれませんね。とにかく針葉樹の木の匂いなんです。

冬のシーズンにアメリカに行かれる方がいたら、ぜひ、買って帰ることをお勧めします。

(2010.01.25)

過去のコラムへ  お宝カメラへ

松任谷 正隆

プロフィール

松任谷 正隆(まつとうや・まさたか)

音楽プロデューサー

1951年東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。

20歳のころよりプロとしてスタジオ活動を開始し、数多くのセッションに参加。その後、アレンジャー、プロデューサーとして多くのアーティストの作品を手掛ける。

1986年に設立した「マイカ音楽研究所」では、自ら校長として後進の育成にも力を注いでいる。長年に亘り「カーグラフィックTV」でナビゲーターを務めるなどモータージャーナリストとしても活躍。日本カーオブザイヤー選考委員。

バックナンバー

画面トップへ

※当サイトの推奨ブラウザは、Windows Internet Explorer6.0以上、Firefox1.5以上、Macintosh Safari 1.3以上、Firefox1.5以上となります。
Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
どらくに掲載の記事・写真の無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。

©朝日新聞社
無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。