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最近、高校生の、いや中学生のころに憧(あこが)れた音楽をやたら買っています。インターネットで。CDでは買う気になれなかったのになぜなんだろう、と自分でも不思議に思います。そのうちにその理由は解明しようと思います。
それにしても、久しぶりに原体験というか、自分のルーツというか、そういうものを聴くと不思議な気がしますね。もちろん古い。えっ、こんな音だったの? 意外に単純だ。何でこんな単純な音構成が当時はわからなかったんだろう…なんてね。でもなぜCDのころには買わなかったんだろう。もちろん店に行ってまで買うのが面倒だったということもありますけど、それ以上に買うのが恥ずかしかったというのがあります。もう、心の奥の奥にしまわれてしまったものというのは、まるで自分自身みたいで、取り出してきて見るのが恥ずかしいのかもしれません。
それとも、音楽は未来への一方通行だから、古いものを見て心を震わせる自分が見たくないのかもしれません。でもちょっと勇気を出して、自分の「この1曲」というものについて、改めて見ていこうと思います。人生の折り返しはとうに過ぎてしまった僕だし、自分自身を探る旅に出てもいいころかもしれない、なんて思うからです。
(2006.12.27)
松任谷 正隆(まつとうや・まさたか)
音楽プロデューサー
1951 年東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。
20歳のころよりプロとしてスタジオ活動を開始し、数多くのセッションに参加。その後、アレンジャー、プロデューサーとして多くのアーティストの作品を手掛ける。
1986年に設立した「マイカ音楽研究所」では、自ら校長として後進の育成にも力を注いでいる。長年に亘り「カーグラフィックTV」でナビゲーターを務めるなどモータージャーナリストとしても活躍。日本カーオブザイヤー選考委員。

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