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「どらく編集委員」通信

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今年を振り返る どらく編集委員 松任谷 正隆さん

今年は個人的に、いろいろとターニングポイントのあった年だったと思います。音楽で言えば、オーガニックサウンドに目覚めた年だったかもしれません。うまくいえないんだけれど、デジタルとアナログのいい塩梅(あんばい)を見つけた、とでもいいましょうか。来年からはこれを現実的に音に落とし込むべく、いろいろと実験を重ねていくことが僕の課題になります。出来るか出来ないか、は僕のモチベーション次第なんでしょう。

年を取るということは飽きっぽくなる、ということと巷では言われていますが、自分に課題を課すことで飽きっぽくなくなるどころか、経験のあるぶん仕事が楽しくなるような気がします。まあ、来年の今頃、何を書いているかで、これがうまくいったかどうかわかるはずです。

あとは車関係の仕事の話。仕事上、たくさんの車に試乗しなければなりません。でも、ここ数年、環境問題がやっぱり厳しくなってきた。というより、厳しいことが明かされてきたといったらいいのでしょうか。アル・ゴアの映画はさすがにショックでしたね。僕は数年前から車の試乗をいかに短くして、いかに多くの情報量を得るか、独自のやり方を考えてきました。簡単に言ってしまえば・・・・・・それは車を家に持ってくること、なんですけどね。家に持って帰ってきて冷静に眺めると、いろいろなことが見えてくるんです。モータージャーナリストは車に長く乗っていればいい、という時代は終わりました。もっといろいろな規模で物事を考えていかなければいけない。僕の年間走行距離はたぶん、奥さんドライバーと同じくらいなんじゃないでしょうか。1万キロなんて到底いってないと思います。

同業者からは「馬鹿じゃないの」と言われそうですけれど、重要なモデルは自分で買って、ちょっとしか乗らない。しかし長く持ってみる。これで行こうと思います。買い物で言えば、今年もやっぱり新しいものをたくさん買いました。特に電気関係は新しいものを知らないと、先のことが考えられないくらい、どんどん先に進んでいます。ちなみにブルーレイは来年、ハイビジョンと同じくらい当たり前のことになるでしょう。ダウンロードする音楽のクオリティーもあがるはずです。また1からやり始めなければならないことが山のように出てきますね。気が狂いそうです。でも、ちょっとずつ波に乗るみたいに進んでいくと、見えてくる世界はやっぱり未来そのものなんですね。生きている醍醐味(だいごみ)はその先にあるような気がするんですが・・・・・・。

来年もよろしくお願いします。

(2007.12.25)

松任谷 正隆

プロフィール

松任谷 正隆(まつとうや・まさたか)

音楽プロデューサー

1951 年東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。

20歳のころよりプロとしてスタジオ活動を開始し、数多くのセッションに参加。その後、アレンジャー、プロデューサーとして多くのアーティストの作品を手掛ける。

1986年に設立した「マイカ音楽研究所」では、自ら校長として後進の育成にも力を注いでいる。長年に亘り「カーグラフィックTV」でナビゲーターを務めるなどモータージャーナリストとしても活躍。日本カーオブザイヤー選考委員。

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