朝日新聞がビートルズ世代に贈る、こだわりエンターテインメントサイト

メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

ホーム設定

Special Contents ひと

  • インタビュー
  • フロントランナー
  • トップ
  • 地球発
  • マネー
  • ライフスタイル
  • 極める
  • からだプラス
  • エンタメ

記事を印刷

「どらく編集委員」通信

  • 「どらく編集委員」通信トップへ
  • バックナンバー

検定ものでわが身を悟る どらく編集委員 松任谷 正隆さん

カー検のアンバサダーに任命され、名古屋でトークショーをやってきた。カー検……自動車文化検定の略である。なんだそりゃ、と言われても無理はない。去年始まったばかりの検定の新参者である。実は去年もアンバサダーに、という話があったのだがお断りした。検定に何の意味があるのかわからなかったし、アンバサダーがいったい何をすればいいのかもわからなかったし、第一、自動車のことを多少は仕事にしている自分が2級、いや3級を落ちたとしてみなさい。笑い事ではなくなる。ここだけの話、3級を落ちたモータージャーナリストが1人だけいたらしい。ほら。そういうニュースだって聞こえてくるわけだ。ちなみに100問中70問正解が合格ラインである。

3級の問題はこんな感じ……。

急激な強いブレーキングによるロックを防ぐ装置とは?

(ア)ABS

(イ)EBD

(ウ)SRS

(エ)TCS

ここでしり込みをしてはいけない。こんなアカデミックな問題以外にも、山口百恵のプレイバックパート2に出てくるポルシェの色は? なんて問題もある。つまりジャンルは技術系、歴史系、アート系、そして文科系にまたがっているので、ある程度の点数は期待できる。それに、ほら、四択だからわからないやつは勘でもいける。

ちなみに2級問題でこんなものもある。

「名ばかりのGTは道をあける」というコピーのCMで知られる車の名前は?

(ア)トヨタ・セリカ

(イ)日産・スカイライン

(ウ)ホンダ・プレリュード

(エ)三菱・ギャラン

つまり、年寄りに少しだけ分があるといえる。名古屋のトークショーでは僕に近い年代のおじさんたちが目立った。もちろん若い子もいたし、女子たちもいたのだが。去年は3級2級だけだったのが今年は1級が増えるらしい。問題はさらに難しくなって、僕なんか全部勘のみである。おっと…言ってしまった……。ただし、1級を受けられるのは2級合格者のみに限られるという。アンバサダー特権で問題横流しを頼んでみたが、さすがに断られた。勘で答えるやつが受かったって意味はないから当然のことだろう。

さて、この検定もの。いろいろなものが密かに(?)流行っているらしい。確かに京都検定とかは有名である。毎年ものすごい受験者がいるそうだ。カー検もそのうちそうなるだろう。しかし何でこんな検定ものが? と考えていくと、「ランキング」という考えに行き着いた。ランキング上位のものがいいものであるだろう……という考え方。インターネット普及で何でもランキングになりつつある現代。検定ものは自分自身がどの位置にいるのかの目安になるじゃないか。自分自身にランキングがつけられるのはいやなものだが、それだって1回きりでなければ次のチャンスがある。つまりいつでも上昇できるチャンスがあり、上昇すれば自慢も出来る、というわけだ。

主催者たちは、将来この検定の結果が就職にまで影響が及ぶであろうことをイメージしているらしい。確かにそう言われればそうだ。僕には死活問題である。

(2008.04.28)

松任谷 正隆

プロフィール

松任谷 正隆(まつとうや・まさたか)

音楽プロデューサー

1951 年東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。

20歳のころよりプロとしてスタジオ活動を開始し、数多くのセッションに参加。その後、アレンジャー、プロデューサーとして多くのアーティストの作品を手掛ける。

1986年に設立した「マイカ音楽研究所」では、自ら校長として後進の育成にも力を注いでいる。長年に亘り「カーグラフィックTV」でナビゲーターを務めるなどモータージャーナリストとしても活躍。日本カーオブザイヤー選考委員。

画面トップへ

※当サイトの推奨ブラウザは、Windows Internet Explorer6.0以上、Netscape7.0以上、Firefox 1.0以上、Macintosh Safari 1.0以上となります。
Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
どらくに掲載の記事・写真の無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。

©朝日新聞社
無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。