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「どらく編集委員」通信

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シリーズ作品の「一気鑑賞」で新発見を どらく編集委員 荒俣 宏さん

最近、仕事上の必要があって、ルーカス&スピルバーグの人気シリーズ「インディアナ・ジョーンズ」四作品を一気に観た。あまりに長時間を要するので、字幕をつけて早送りで鑑賞したのだが、通しで眺めてみると、単発ではどの作品も何度か観たはずなのに、いちいち新発見があった。

すでにマニアの間では有名な話かもしれないが、たとえば、第一作のラストに、「失われたアーク」が極秘保管されるだだっぴろい倉庫の情景が出てくる。一気に第四作まで行ったとき、アレッ、と思った。第四作は、例の「エリア51」に保管されている宇宙人の「死体」を巡る争いなのだが、冒頭にだだっぴろい倉庫が映った。この倉庫、さっき観たばかりの第一作に出てきた倉庫ではないか! とすると、ここには「失われたアーク」もあるわけだ。第一作と第四作は、制作年に二十年以上もの開きがあるのに、ちゃんとつながっていたのだ。こういう発見は、一気にシリーズを眺めたときでないと気づかない。おもしろくなって、メモを取りながら観た。じつに多くのトリヴィアな発見ができた。映画鑑賞の達人は、こうやって細部を記憶しながら観ているのか、と考えると、空恐ろしくなった。

かつて映画斜陽の1970年代に、映画館がオールナイト興行というのをさかんに企画し、シリーズ物を一気に上映していた。わたしは『野良猫ロック』シリーズとか『女囚サソリ』シリーズ(要するに梶芽衣子が観たかったのだが)の一挙上映を観に通った経験があるが、一晩上映しているので半分眠っていたらしく、そうした新鮮な発見をした記憶がない。自宅で映画が自由に観られるようになり、映画鑑賞の達人と同じ発見が簡単にできるようになった、と考えていいのか悪いのか、とにかく興味深い体験だった。

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グラフト・シャットフィルター

マスクが街から消えた! 新型インフルエンザの日本上陸で、毎朝の検温と、時差通勤、マスク着用を指導している企業も多いという。僕は生来のんきであまり気にしていなかったのだが、花粉症でくしゃみをするたび、まわりの視線が厳しくなってきた。予防というより、咳、くしゃみのマナーとして、マスクが必要になったのだ。

薬局にいってみるとマスク入荷未定で、残っているのはガーゼのマスクばかり。ガーゼではウィルスを通してしまい、予防効果がないそうだ。そんなとき見つけたのが、「グラフト・シャットフィルター」だ。ヨード製剤を含ませた不織布をガーゼのマスクに挟むとウィルスを防いでくれて、効果は10日間持続するというスグレもの。単に挟み込むだけで、ウイルス予防に役立たないとされてきたガーゼマスクの面目も立つというものだ。しかもガーゼマスクは洗って何度も使えるぞ!! 新型インフルエンザ騒動も鎮静化の兆しだが、秋からの流行には備えておきたい。

(2009.06.15)

荒俣 宏

プロフィール

荒俣 宏 (あらまた・ひろし)

1947年生まれ。慶応大法学部卒。博物学者であり、小説家・翻訳家。「世界大博物図鑑 第2巻 魚類」でサントリー学芸賞。ビブロマニア(書籍蒐集マニア)としても有名。2010年名古屋開府400年記念事業ゼネラルプロデューサー。

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