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「どらく編集委員」通信

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町工場で極める人々 どらく編集委員 荒俣 宏さん

先日、国立科学博物館で開かれた「ものづくり展」を見物した。ものづくりの達人は、大企業でなく、むしろ小さな町工場にいて、日々その技を極めているのである。すでに発明を付け加える余地なしといわれた自転車に対し、こぐごとに自動的にタイヤに空気がはいる仕掛けを発明した達人。銅と鉄という異金属を二枚重ねて完全に溶着してしまう達人。携帯電話の電磁波をシールドするのに銅粉を利用することを考えついたメッキの達人。

みごとなのは、真空を利用して砂で鋳型をつくり、用が済んだら元のさらさらした砂に戻すという完全リサイクルを達成した達人。真空にするのは電気掃除機があればいい! 圧巻は、発泡スチロールでこしらえた模型から寸分たがわぬ金属鋳造物をつくる達人。発泡スチロールで原型をつくればいいのだから、巨大な鋳物も楽にできあがる! じつはこういう職人技が他国に真似できない日本の発明をどんどん増やしているのだ。極める人はマニアな世界だけでなく、日常にもいることを知って、快感だった。

(2007.02.26)

荒俣 宏

プロフィール

荒俣 宏 (あらまた・ひろし)

1947年生まれ。慶応大法学部卒。博物学者であり、小説家・翻訳家。「世界大博物図鑑 第2巻 魚類」でサントリー学芸賞。ビブロマニア(書籍蒐集マニア)としても有名。ベストセラー「ダ・ヴィンチ・コード」の解説を務めた。

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