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「どらく編集委員」通信

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ドライミストから涼霧へ どらく編集委員 荒俣 宏さん

今年の夏はあまりに暑い。省エネで、しかも自然の涼しさを得られる技術はないものか、とわたしは真剣に悩みながら今夏を迎えた。そこで思い出したのが、2年前の愛知万博で紹介されたヒートアイランド対策の新技術「ドライミスト」だった。超ミクロの霧を噴出し、打ち水と同じ涼感を得る装置で、ノズルとパイプだけの構造だから、商店街や広場に設置できる。ミクロの霧なので、濡れる心配がなく、確実に気温が下がる。エアコンのように室外機から熱風を出すこともない。

この「ドライミスト」を自宅に設置できないものか。幸い、温暖化防止の研究をされている知り合いの教授から、「いけうち」という大阪のノズル会社がもっと軽便で機能的なノズルを制作している、と教えていただいた。

さっそく連絡し、「涼霧システム」という微細な霧「セミドライフォグ」を発生させる装置をみせてもらった。このノズルをベランダと屋根に設置し、気温が35度以上に上がると自動的に水と霧を出すようにした。モニターも兼ねているので計器がたくさん付いた。それで見ると、屋根はすぐに50度を越える高温になる。さっそく屋根の散霧が始まった。たちまち30度まで温度がさがる。ベランダ「涼霧」ノズルも勢いよく、濡れない霧を出した。涼しい!

我が家もついに愛知万博と同じ省エネ・ヒートアイランド対策をたちあげたか、と感動しながら2週間がすぎた。順調に装置が作動し、屋根が冷えている。が、万歳と思った瞬間、想定外の事件がおこった! 古い屋根の隙間から水が滲みこみ、雨漏りが発生してしまったのだ。今、屋根を修理中。ウーーム、暑さとの戦いは前途多難だ。

(2007.08.27)

荒俣 宏

プロフィール

荒俣 宏 (あらまた・ひろし)

1947年生まれ。慶応大法学部卒。博物学者であり、小説家・翻訳家。「世界大博物図鑑 第2巻 魚類」でサントリー学芸賞。ビブロマニア(書籍蒐集マニア)としても有名。ベストセラー「ダ・ヴィンチ・コード」の解説を務めた。

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