![]()

沖縄県の嘉手納で講演があったので、ついでに辺野古に行ってみることにしました。辺野古を訪れるのは、おそらく10年ぶりです。那覇の風景がこの10年で様変わりしてしまったのと比べると、辺野古はあまり変わっていませんでした。
集落を抜けて、キャンプシュワブとの境界の海岸に出ると、そこは波の音と鳥のさえずりしか聞こえない本当に静かな空間でした。海を渡ってくる潮風を胸一杯に吸い込んでいるだけで、心が洗われる気がします。ところが、そんな優しい時間を突然マシンガンの銃声が切り裂くのです。キャンプシュワブで演習が行われているからです。
普天間はもちろんのことですが、嘉手納も、辺野古も、沖縄の人たちは、限界を超える我慢を強いられてきました。この上、なぜ新たな負担を押しつけないといけないのでしょうか。
辺野古に作られようとしているのは、普天間飛行場の代替施設ではありません。そこに配備されるのは、オスプレイと呼ばれる垂直離発着ができる航空機です。この航空機は、開発段階で何度も墜落事故を起こしています。垂直に飛び上がるという普通ではないことをするのですから、とてもリスクが高いのです。そうした飛行機を沖縄で飛ばせば、いつ住民が事故に巻き込まれるか分かりません。それだけではありません。米国の公文書で、かつて辺野古のある大浦湾を軍港にすることが計画になっていたことが明らかになっています。つまり、辺野古に巨大基地を建設するというのが、本来の米軍の計画なのです。そんなことを、いまさらやる必要がどこにあるのでしょうか。
日米同盟を守るためには、どこかに普天間の代替施設を作らないといけないと、多くの有識者が語っています。そのために政府はどこに代替施設を作るかで右往左往しています。ですが、そもそも東西冷戦が終わったいま、引き続き日米同盟が必要なのかという議論はほとんどなされていません。もし日米同盟が役割を終えたということになれば、代替施設そのものが必要なくなるのです。
せっかく政権交代をしたのですから、駐留米軍が、なぜ日本にいて、彼らが日本のために一体何をしてくれるのかというところに立ち返って、冷静で建設的な議論を国民全体ですべきだと思います。
出演している「イブニングワイド」というテレビ番組のスタジオで食べたのですが、出演者全員が絶賛でした。普通のくず餅とは、まったく違って、つるんとした食感が、上品で、さわやかで、いままで経験したことのないおいしさです。老舗ですが、デパートなどには出店していないそうなので、日本橋に出掛けないと買えません。

(2010.02.08)
森永 卓郎(もりなが・たくろう)
1957年生まれ。経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。80年に東大経済学部を卒業、日本専売公社(現日本たばこ産業)、経済企画庁、UFJ総合研究所などを経て現職。

※当サイトの推奨ブラウザは、Windows Internet Explorer6.0以上、Firefox1.5以上、Macintosh Safari 1.3以上、Firefox1.5以上となります。
Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
どらくに掲載の記事・写真の無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
©朝日新聞社
無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。