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「どらく編集委員」通信

日本の金利が上がると米国が困る? どらく編集委員 森永卓郎さん

米商務省が発表した今年上半期の経常収支の赤字は、前年同期比で12.1%増の4千317億ドルと、過去最大の赤字を記録しました。米国は、日本円でいうと、100兆円を超す借金を毎年上積みしていることになります。個人でいえば、多重債務者のような経済状態に米国はなっているのですが、ドルは暴落しません。それはなぜでしょうか。

数年前までは、米国の国債を日本が買っていました。例えば2003年度に、日本政府は米ドルを33兆円も買いました。2003年度の税収は43兆円でしたから、信じられないほどの高額です。円安誘導のための為替介入で、米ドルを買い、円を売ったのですが、さすがにドルを買い過ぎたため、それ以降、日本はほとんど米ドルを買っていません。しかしその後は、同じく為替介入の目的で中国が大量の米ドルを買っています。

しかし、日本も中国も、ドルを抱えすぎたため、もう、ほとんど買えません。そうなると米国は借金の穴埋めを海外の民間資金に求める必要がでてきます。

民間の資本を引き寄せるため、米国は短期金利を引き上げてきました。しかし17回に及んだ短期金利の引き上げは、8月でとりあえずストップしています。金利を上げすぎて住宅市場など国内経済に悪影響がでてきたからです。

いまの時点でアメリカが一番恐れているのは、日本の金利が上がることです。日本の金利が上がると、日本からアメリカに向かっていた資本の流れが減ってしまう可能性が高いからです。7月のゼロ金利解除以降、日銀は追加の利上げを見送っていますが、その一つの要因は、このアメリカ側の事情なのかもしれません。

(2006.09.25)

森永卓郎

プロフィール

森永 卓郎(もりなが・たくろう)

1957年生まれ。経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。80年に東大経済学部を卒業、日本専売公社(現日本たばこ産業)、経済企画庁、UFJ総合研究所などを経て現職。/p>

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