
趣味を持つことは、定年後の生きがい確保につながるだけではありません。これからの世の中では、収入の確保にもつながります。プロとアマの境界が曖昧(あいまい)になってきているからです。
いま私は全国を講演で飛び回っていますが、いつもデジタルカメラを持ち歩いています。空港や市役所、市電、祭り、海、川など、あらゆるものを写真におさめているのです。
もちろん半分は趣味ですが、残りの半分は定年後に向けてのまじめな投資です。
実は私は定年後に、雑誌社向けに写真素材をネットで販売しようと考えています。雑誌社は、原稿に添える画像を買うことがよくあります。実際に撮影に行こうとしても、天候の問題があったり、費用の問題があっったりして、なかなかロケーションに行けないことがあるのです。写真素材の販売を専門にしている会社では、あらゆる分野の写真を揃え、1枚5千円以上で売っています。そうした会社の写真は、プロのカメラマンが撮っているので完璧なのですが、それほどの品質を必要としない場合も結構あります。そうしたニーズ向けに、思い切り安く、例えば1枚5百円で写真を提供したら、そこそこの需要はあると思うのです。
撮影した写真をサムネイルと呼ばれる小さな画像に仕立てて、それをインターネット上に並べて公開し、注文をメールで受け付けます。注文があったら、代金と引き換えに画像をメールの添付ファイルで送るだけの簡単なビジネスモデルです。
ただ、商売として成立させるためには、最低でも数万点の写真を蓄積して、アーカイブを作る必要があるので、とにかく数を増やそうと、いま撮り貯めているのです。
こうしたことを書くと、同じアイデアで先にビジネスを始められてしまうかもしれません。それでも構わないと思います。ただ、その時は、私の写真も、是非そのビジネスの仲間に入れてほしいのです。
(2006.11.30)

森永 卓郎(もりなが・たくろう)
1957年生まれ。経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。80年に東大経済学部を卒業、日本専売公社(現日本たばこ産業)、経済企画庁、UFJ総合研究所などを経て現職。

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