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「どらく編集委員」通信

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外債投信は年金の代わりになるのか 森永卓郎さん

最近、定年退職者の間で大変なブームを引き起こしている投資信託があります。主要国のソブリン債に分散投資する投資信託です。人気の理由は4つあります。

第一は、安全性です。ソブリン債というのは、国債や地方債など、各国の政府保証のある債券のことで、いま日本で売られているソブリン債ファンドは、欧米主要国のソブリン債を組み入れている場合が多いので、支払い不能になる可能性はほとんどありません。

第二は、安定利回りです。債券に投資するのですから、株式ファンドと比べると、基準価格の価格変動リスクが小さく、同時に安定的な配当が可能になっています。

第三は、毎月分配という仕組みです。例えば退職金を預けると、元本を減らさずに、年金のように毎月分配金を受け取ることができるので、その分だけ公的年金に加えて、生活を改善することができるのです。

第四は、高利回りです。現在、欧米の長期債利回りは4%台から5%台に達していて、それらを組み込んだ投資信託も、ほぼ同じ利回りの分配金を出しています。2千万円投資すれば、毎月8万円前後の分配金が受け取れる。実に理想的な商品なのです。

もちろん注意すべき点はあります。これも投資信託の一種ですから、1%以上の信託報酬を取られています。それでも、債券利回りと同程度の分配金が出ている理由は、円安が進んで、為替差益がでているからなのです。為替差益で信託報酬をまかなっているような状況なのです。ただ、いまの円安がいつまでも続くわけはないですから、高利回りがどこまで続くかは不透明です。

もう一つ気掛かりなのは、為替リスクのヘッジがなされていないことです。もし円安の流れが止まって、円高になると為替差損が発生することになります。ですから、こうした外債のファンドに投資するときには、為替レート変動の流れが変わって円高が進行しそうになったら、いち早く、円建ての資産に移すことが重要でしょう。ボーっとしていて、自動的に毎月確実に高利回りが得られる。そんなうまい話はないのです。

(2007.06.25)

森永卓郎

プロフィール

森永 卓郎(もりなが・たくろう)

1957年生まれ。経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。80年に東大経済学部を卒業、日本専売公社(現日本たばこ産業)、経済企画庁、UFJ総合研究所などを経て現職。

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