
先日、『しあわせの集め方 B級コレクションのススメ』を上梓しました。私のコレクションを紹介する本なのですが、単にコレクションを並べた本ではありません。低コストで生涯続く生き甲斐をみつけるための本なのです。
私は、いま53種類のモノを集めています。書画骨董のような値のはるものはありません。コーラやお茶の空き缶、消費者金融のティッシュ、食品のパッケージ、指人形、グリコのおまけ、ペットボトルのフタなど、お金のかからないものがほとんどです。
数を集めて並べると、それだけで楽しいですし、時間が経つと、モノが歴史を語りだすので、さらに楽しみが増すのですが、もっと大きな楽しみは、友達の輪が広がることです。
例えば、ペットボトルのフタを真剣に集めている人が全国に11人います。普段は電子メールを通じて交流をしているのですが、数年に一度オフ会を開いています。私も一度参加しましたが、ペットボトルのフタについて語り合うだけで、5時間があっという間に過ぎてしまいました。
また、今月、ファーストフード・トイ(マクドナルドのハッピーセットのおもちゃなど)のコレクターのオフ会にも参加しました。ここでも、他愛のない話で4時間がすぐに経ってしまいました。
交流の楽しさは、さまざまな暮らしや仕事をしている人の話が聞けることです。会社の同僚や異業種交流会で知り合える人とは、比べ物にならないくらいの多様性があります。
そして、もう一つの楽しさは、世界に窓が開かれることです。自分のホームページにコレクションの写真を並べ、「Trade OK」と書いておくだけで、世界中の同好の士からメールが届きます。アジアはもちろん、東欧や南米、アフリカからもメールがくるのです。
定年後、何をしたら人生を楽しめるのか分からない人は、コレクションを始めるのが、一番よいと私は思っています。ただ、コレクターでない人にとって、一番の問題は、一体どんなものを集めたらよいのか分からないということでしょう。私の本はそうした人のためのヒントなのです。これをご覧いただければ、一つくらい「これ集めてみたいな」と思うものがあるのではないかと思います。もしあったら、とりあえず集め始めてみてください。お金は、ほとんどかからないですから、もし、つまらなければ、さっさとやめて次に行けばよいだけの話なのです。
(2008.03.24)

森永 卓郎(もりなが・たくろう)
1957年生まれ。経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。80年に東大経済学部を卒業、日本専売公社(現日本たばこ産業)、経済企画庁、UFJ総合研究所などを経て現職。

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