朝日新聞がビートルズ世代に贈る、こだわりエンターテインメントサイト

メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

ヘルプ

  • トップ
  • 地球発
  • マネー
  • ライフスタイル
  • 極める
  • からだプラス
  • エンタメ

「どらく編集委員」通信

リーマン・ブラザーズ破綻は終わりの始まり どらく編集委員 森永卓郎さん

9月14日にリーマン・ブラザーズ証券が連邦破産法の適用を申請し、158年の歴史を持つアメリカ第4位の証券会社が事実上経営破綻しました。世間では山一証券の破綻になぞらえる人も多いのですが、アメリカの大手証券会社は日本の証券会社のイメージとはかなり異なります。投資銀行業務、つまりマネーゲームで稼ぐ部分がかなり大きいのです。リーマンブラザーズ破綻の原因は、このマネーゲームの部分での失敗でした。

実は、今回のリーマン・ブラザーズの破綻で、原油価格が再び上昇するだろうという見方がありました。証券化商品に流れていた資金が逃避して、原油に再び流れ込むだろうとされていたのです。ところが現実に起こった事態はまったく逆でした。ニューヨークの原油先物価格は、2日間で10ドル3セント安の91ドル15セントと、7月11日につけた最高値147ドルの3分の2以下の水準にまで下落したのです。世界中で暴れ回ってきた投機資金の力が明らかに落ちてきている証拠でしょう。私は、近いうちに原油や穀物の値段がさらに値下がりして投機資金が消滅すると考えています。これまであらゆる投機対象を手がけてきてしまったために、もう次になだれ込む資金の行き先がなくなっているからです。そのことは金融資本主義の終焉を意味します。カネがカネを稼ぐというアメリカのビジネスモデルが成り立たなくなっていくのです。これからもマネーゲームに手を染めていた人たちが次々に倒れていくでしょう。

そのためアメリカ経済は、しばらく厳しい状況が続くと思います。それに伴って日本経済の足が引っ張られるのも事実です。しかし、資源価格が大幅に下落した効果は数カ月後にはガソリン価格の低下などの形で私たちの生活を潤していきますし、年明けまでには政府の景気対策が打たれるでしょうから、日本経済の低落に歯止めがかかると思われます。そして何より大きいのが金融資本主義の時代が終わるということです。これまでは金融経済が実物経済を支配してきましたが、これからは実物経済が主役に戻ります。そこで評価されるのは、まじめにきちんと社会の役に立つ製品を作る企業です。いまそうした企業の株価も金融不安に巻き込まれて下がっていますから、ある意味で投資の絶好のチャンスだと言えると思います。

(2008.09.29)

過去のコラムへ  森永さんのお気に入りグッズ  お宝カメラへ

森永卓郎

プロフィール

森永 卓郎(もりなが・たくろう)

1957年生まれ。経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。80年に東大経済学部を卒業、日本専売公社(現日本たばこ産業)、経済企画庁、UFJ総合研究所などを経て現職。

森永卓郎さんの本はこちらから購入できます

  • 「どらく編集委員」通信トップへ
  • バックナンバー

画面トップへ

※当サイトの推奨ブラウザは、Windows Internet Explorer6.0以上、Firefox1.5以上、Macintosh Safari 1.3以上、Firefox1.5以上となります。
Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
どらくに掲載の記事・写真の無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。

©朝日新聞社
無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。