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3月6日に政府は確定拠出年金の拡充を図るための確定拠出年金法の改正案を閣議決定した。確定拠出年金は、公的年金のように給付額が決まっている確定給付型と異なり、運用成績によって、給付額が変わってくる年金だ。確定拠出年金は、掛け金が所得から控除されて非課税になるため、掛け金に上限が課せられている。企業が掛け金を負担する企業型では月4万6000円、自営業者など個人が掛け金を負担する個人型で月1万8000円だ。法改正で、それぞれの限度額を5000円引き上げる予定になっている。また、企業型については、企業の掛け金に、従業員が掛け金を上乗せできるマッチング拠出も解禁される予定だ。
年金給付の先行きが危ぶまれるなかで、自らの努力で年金の充実を図る手段が拡充されることは、一見、よいことのようにみえる。また、確定拠出年金が広がっていけば、株式での運用が増えるので、低迷する株式市場の活性化にも役立つだろう。
ただ、私にはどうしても納得できないことがある。それは、既存の公的年金の給付抑制の代替策として確定拠出年金を充実させようとする政府の意図が見え隠れすることだ。もちろん、すべての人が、確定拠出年金の恩恵を受けられればよいのだが、現実問題として確定拠出年金に加入しているのは300万人あまり、それも大企業や大企業の関連会社の社員がかなりの部分を占めているとみられる。つまり、確定拠出年金の拡充で救われるのは、ごく一部の恵まれた人たちだけなのだ。
そして、確定拠出年金の恩恵を受けられない人たちが、もう一ついる。それが、すでに年金を受給して引退している高齢者だ。彼らは、もう確定拠出年金に掛け金をかけることができないから、何の恩恵も得られないのだ。
私は、公的年金の財政が厳しくなり、給付を減らさざるを得なくなったので、自助努力で自分の年金を作ってくださいという考え方は、間違っていると思う。少なくともいまの年金の水準を守るためのあらゆる手立てを尽くして、公的年金給付を守った上で、「余裕が欲しい人はどうぞ」という形で確定拠出年金を活用するのが筋ではないだろうか。
メロン&バニラという商品名ですが、これは間違いなくクリームソーダのカクテルです。私はクリームソーダが好きなのですが、いい年をして、なかなか注文できません。でも、このカクテルは、堂々とお酒を飲むふりをしてクリームソーダを楽しめる逸品です。

(2009.03.16)
森永 卓郎(もりなが・たくろう)
1957年生まれ。経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。80年に東大経済学部を卒業、日本専売公社(現日本たばこ産業)、経済企画庁、UFJ総合研究所などを経て現職。

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