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「現役」続行術:1

シニアとは:気持ち若く、意欲も充実

「団塊」の名でくくられる世代が60歳の定年を迎える2010年。生涯現役でいるためのヒントを12回にわたって探ります。

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60歳前後の「シニア世代」の自己認識について、興味深い調査がある。

50歳以上を対象とするマーケティング会社「シニアコミュニケーション」が、50〜60代の男女813人に対し、「自分のことを何歳ととらえているか(認知年齢)」を調べた。結果は、男女とも実年齢よりもおよそ6〜15歳若かった=グラフ上。定年間もない60〜64歳の男性では3人に1人強が、「11〜15歳若い」と答えている。

「自分はまだまだ若いと考えている半面、人生の残り時間をどう有意義に使おうかと熱心に考えるのも、この世代の特徴」と同社広報室の須田文室長。2006年の調査だが、傾向に変わりはないという。

そうした「現役感」はお金の使い方にも表れていて、「子どもに残すより、自分の人生を楽しむために使おうという人が多い」。

広告会社の博報堂が団塊世代を対象にした調査では、「定年後のお金の使い道」は「旅行」「趣味」が上位を占めた=グラフ右下。その旅行も、以前とは様変わりしている。JTB広報室は、変化をこう例える。

「添乗員がガイドをする『十人一色』のツアーから、参加者が自由行動できる『十人十色』へ。さらに今は、一緒に行く相手や、旅先でやりたいことに応じて内容を選ぶ『一人十色』の旅になってきている」

いまや定年後の自由時間は8万時間を超え、現役時代の労働時間に匹敵するほどになった。博報堂の別の調査でも、定年後の理想のライフスタイルとしては「仕事、ボランティア、趣味のすべてに取り組みたい」という回答が約4割で最多だった=グラフ左下。だが、そうした意欲が実際の行動につながっているかどうかは、また別の話。

「いざ引退し、個人となって今後、何をし、どう社会とつながっていけばよいかと悩む人も少なくない」。数々の文化イベントなどを手がけるプロデューサーで、自らも同世代の残間里江子さんは言う。

残間さんは昨年1月、「club Willbe(クラブ ウィルビー)」(http://www.club-willbe.jp/)という会員制組織をつくった。「いつまでも社会とつながりながら自分らしく生き、誰かのために役立ちたい」と考える、団塊世代を想定した集まりだ。

活動趣旨に共感する文学や料理、スポーツなどの各界著名人ら約140人が講師や企画立案で参加し、勉強会や旅行、トークセッションなどを行っている。

会員は約6300人で、平均年齢は53.7歳。登録は無料だが、イベント参加費など収益の一部を基金にし、市民活動の支援に充てている。「同じ感性を持った人が集まり、これまでにない大人文化を創造していきたい」と残間さん。意欲的なシニアに、「現役」を実感できる環境を提供している。

(前田育穂)

私の場合

定年後の自由時間、仕事やボランティアで充実

60歳で病院を退職し、今は週2日程度、看護師として働きながら、小学校で絵本の読み聞かせボランティアに参加しています。また、地域の子ども会や市の児童センターでも、お話や紙芝居などをさせていただいています。若い頃からあこがれていた、何かで自分を表現する、ということができる今、ささやかですが、生き生きとしている自分を感じています。しばらく仕事も続けたいですし、定年後の自由な時間こそ楽しく生きられるもの。老いるのも悪くないものだと思うこのごろです。

(滋賀県 主婦 68歳)

「書き込み式 定年後ライフプラン手帳」

充実した定年生活を迎えるため、自分のこれまでの歩みや定年後にしたいこと、資金計画、万一のときの備えなどについて、整理しながら書き込める。巻末には、定年後の住まいの選び方から退職金の運用方法、生命保険の見直しや年金制度などに関する解説コラムも収録されている。

パートナーと一緒に話し合いながら記入すれば、定年後の生活を具体的にイメージするのに役立つ。早めの準備が欠かせないことを教えてくれる1冊だ。

(本田桂子著、永岡書店・税抜き1500円)

(更新日:2010年01月12日)

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