「2月はタマリンドにしましょうか」と、東京青果の大石富出実さんからメールが入りました。
タマリンドと聞いて、思い出したのはタイのバンコク。野菜市場で山になって売られていました。

スイートタイプはまるでドライフルーツ
「熱帯アフリカ原産のマメ科の植物です。背の高さは、20〜25メールにもなるといいます。常緑樹なので、東南アジアでは、広場や公園、道ばたに、街路樹として植えてあるそうですね」と、大石さん。
「原産地のアフリカからスーダンを通って、インドへわたり、さらにアラブや東南アジア、ラテンアメリカに広がったようです」
タマリンドの語源は、アラブ語で“tamar-hindi(インドのナツメヤシ)」という意味とか。インドからアラブへ渡ったから、こんな名がついたのでしょう。
タマリンドが広がったルートには、いまも、さまざまなタマリンドの利用方法があります。

箱に「スイートタマリンド」と書いてあるとおり、これは甘いタイプでそのまま食べられますが、「タマリンド」というと、ふつうは酸味の強いタイプ。アジアとラテンアメリカではスパイスとして使われます。ペースト状のものをもとにして、インドのチャツネ。東南アジアのカレーやシチュー、スープの酸味調味料。スナックやデザート、メキシコ人の好きな冷たいドリンクもあります。
フィリピンには、マラリヤに効能があるという、葉を使ったタマリンド茶がありますが、タマリンドの葉や樹皮、果肉は各地でさまざまな薬として使われています。このほか、材木は家具や道具の材料にもなりますし、東南アジアのお寺ではパルプが金属磨きとして使われる、という利用価値の高い木なのです。

「タマリンドは、実が熟してから半年くらい、木になったままおいておくんだそうです。そして、樹上で水分を20%以下にしたものを収穫するんですね」と大石さん。
つまり、木になったドライフルーツを収穫するということ。面白い果実です。
まわりを覆(おお)っている茶色い殻(から)はかたいのですが、カラカラに乾いていて、簡単に割ることができます。中に入っているのは、焦げ茶色の果肉。この果肉に、細い繊維が、編んだ根のようにからみついています。この繊維を引っ張って果肉からはずし、果肉を口に入れると、濃い甘さとかすかな酸味。トロピカルな香りが広がります。干し柿やヌガーのような、モチッとした食感。乾いた外見からは想像できない、濃厚な味と香りのフルーツでした。
お話:大石富出実 まとめ:クサマヒサコ
参考図書:東南アジア市場図鑑(弘文堂)

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東京青果株式会社営業本部副部長

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