「次回、キワノはどうですか」、と聞いてみたら、「キワノって、実は、そんなに新しいフルーツじゃないんですよ」と東京青果の大石富出実さん。「僕の記憶だと、20年以上前から入ってるんです。でもなかなか普及しませんねぇ。ご存じない方も多いと思うから、新顔といってもいいかもしれません」。
固い皮に守られた水のフルーツ
「キワノの別名は角(つの)メロン、英語でホーン・メロン」と大石さん。
「このキワノは、アメリカのインカゴールドという会社から届きました。インカゴールドはワシントン州にありますが、産地はもっと南でしょう。角メロンには2種類、アフリカが原産地のアフリカン・ホーン・メロンと、南米が原産地のものがあるそうですが、正確なところはわかりません。これはその南米のほうですね。ウリ科の、きゅうりの仲間です」
それで、わかりました。キワノといっしょに入っていた紙には、大きく“cuke-asaurus”と書いてあります。“cuke”と“asaurus”の造語のようです。調べてみると、“cuke”はきゅうり(cucumber)と同義語。“asaurus”というのは、恐竜の名前によくある「なんとかザウルス」の前に“a”をつけて、語呂をよくしたのでしょう。つまり、「きゅうりザウルス」というわけです。といっても、この恐竜はまだ卵でしょうか。
「姿かたちはユニークですが、あまり味はないんですよ」と大石さん。
「でも、この紙にはフルーツ・オブ・パラダイスとかテイスト・オブ・パラダイスって書いてありますよ。天国のくだもの、天国の味っていうことでしょう?」

ナイフを入れると、水分があふれ出します。タネも水分たっぷりのゼリーに包まれている。キワノは、固い皮に守られたグリーンの水のフルーツなのですね。乾いたところでこんな水に出合ったら、それはそれは美味。天国の味がするのでしょう。
切った断面がまたとてもきれいです。
「でも、このタネが、どうしても気になるっていう人がいます」
キワノのタネは、ウリの固いタネに似ています。ただ、ウリのタネは取り除きやすいけれど、キワノのタネを取ろうとすると、おいしい水を含んだゼリーもいっしょに捨ててしまうことになります。だから、まわりのゼリーといっしょにツルンと飲み込まなくてはなりません。タネを飲み込むのはパッションフルーツと同じですね。

インカゴールドのホームページに、半分に切って、約6ミリ幅に切り、砂糖か塩をかけて食べる、と書いてあったので、ハチミツはどうかな、と思ってかけてみました。キワノの緑の香りと水の味が引き立つ、おすすめの食べ方です。この水には、カリウムとビタミンが豊富に含まれているそうです。

お話:大石富出実 まとめ:クサマヒサコ

←新顔フルーツを紹介してくれる大石富出実さん
東京青果株式会社営業本部副部長

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