「今度はランブータンかマンゴスチンにしませんか」と、東京青果の大石富出実さんから連絡が入りました。「南国のフルーツは入ってこない時期なので、冷凍ものになるんですが…」 「冷凍ものは残念だなぁ。でも、冷凍フルーツってどんなものか、見てみるのもいいかもしれませんね」
というわけで、冷凍のランブータンです。タイからやってきました。
甘くジューシーなライチの仲間です
「ランブータンは、ムクロジ科の常緑樹です。この果皮は赤いタイプですが、このほかに赤と緑の混じったもの、黄色いもの、黄色に赤の混じったものなど、種類がいくつかあると聞きました。原生地はマレー半島といわれていますが、はっきりしません」と大石さん。
この毛むくじゃらな姿、東南アジアの市場風景などのシーンによく登場するのは、いかにもトロピカルなルックスだからでしょう。1センチほどの長さの、トゲのような毛がはえていますが、見かけよりも柔らかく握っても痛くありません。 ランブータンという名前は、マレー語から来ています。“rambut”は、「毛、髪」という意味、“an”は、「物」という意味。つまり「毛の生えたモノ」という、この姿をそのまま表現しているわけです。
今回は、タイから届いた冷凍のランブータン。解凍するのに冷蔵庫で1晩かかりました。新鮮なランブータンは皮が固いのでナイフでむくといいますが、解凍した果皮はそれほど固くなくて、皮に走っている筋を見つけて爪を立てると、わりあい簡単にむくことができます。
果皮の下から現れるのは、白く半透明な小型のたまごのような実。とてもジューシーなので、むくときは果汁がこぼれないように気をつけて。香りはフレッシュなものにはかなわないでしょうが、甘みと酸味のバランスがよく、冷凍とはいえなかなか美味です。

「高級ぶどうのよう」という人もいますが、ぶどうと比べると、果肉からタネをはずすのがむずかしい。実の真ん中にあるタネは、ラグビーボウルを長くしたような形をしています。このタネの皮が果肉にくっついて、なかなかはがれません。あきらめて果肉といっしょに食べると、口の中がゴソゴソします。
「種類によってタネ離れのいいものもあるそうですが、これは違いますね。ランブータンの多くはこちらのタイプです。タイには、皮をむいたランブータンの白い果肉から、タネを取り出すナイフがあるそうですよ」と大石さん。 それにしてもこの実、ライチに似ています。
「ライチやリュウガンという中国のフルーツも同じムクロジ科ですから、ランブータンの仲間なんですね。毛が生えていたり、つるつるだったり、外見はいろいろですが、むいてみると中身はよく似ているわけです」
ライチを好んだという楊貴妃(ようきひ)がランブータンを見たら、なんというでしょうか
ランブータンは、ビタミンC、鉄分を多く含むフルーツ。生で食べるほか、ジャム、酒などにも加工します。

お話:大石富出実 まとめ:クサマヒサコ
参考図書:弘文堂『東南アジア市場図鑑(植物編)』

←新顔フルーツを紹介してくれる大石富出実さん
東京青果株式会社営業本部副部長

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