

4月上旬のフルーツを、東京青果の大石富出実さんに紹介してもらいました。晩柑(ばんかん)と呼ばれる、今出ているかんきつ、 「清見」と「デコポン」です。
「『清見』と『デコポン』は少し前から出回っていますが、4月の晩柑の中で、金額ベースでは、デコポンがいちばんで50パーセント、清見が30パーセントくらいいくんじゃないでしょうか。デコポンはむきやすくて、糖度もある。清見はジューシーです。だから人気があるんですね」と、大石さん。
「『清見』と『デコポン』は母子ですね」。
「清見はすぐれた性質があるので、いろんなかんきつの母親になっています」。

清見は、ミカン(宮川早生)×オレンジ(トロビタ・オレンジ)で誕生した品種。ミカンとオレンジのかけあわせに人工的に成功したのは、これが日本で初めてでした。1979年に命名登録されたといいますから、約30年前、現在の果樹研究所でのことです。
ちなみにミカン×オレンジでできたフルーツの総称を「タンゴール」といいます。英語でみかん類を指す“tangerine”の“tang”と、オレンジ“orange”の“or”から作った合成語“tangor”です。ときどき見かける「清見オレンジ」という表記はマチガイ。「清見タンゴール」が正しいのです。タンゴールには、伊予柑やタンカンなど、自然にできたものもあります。
清見の栽培面積(2005年)は全国で1450ヘクタール、愛媛県がトップで522ヘクタール、次いで和歌山県の294ヘクタール、熊本県の195ヘクタールと続きます。
清見は、ジューシーでオレンジの香りがする風味豊かなかんきつ。「不知火(しらぬひ)」、「はるみ」、「天草」、「せとか」など、さまざまな新しい品種のお母さんです。

その一つ「不知火」が、通称<デコポン>です。デコポンのお母さんが清見なら、お父さんはポンカン。誕生したときにはとても評判が悪かったといいます。それを熊本県が栽培して、人気品種に育てました。
大石さんは、「このデコが目立ちますし、『デコポン』という名前も覚えやすかったから、最初は目立ちました。今は見慣れて、普通になってきましたが・・・・・」といいます。
「デコポン」とは「日本園芸農業協同組合連合会傘下の会員で、系統出荷を行ない、果実品質が糖度13パーセント以上、酸度1パーセント以下の果実を指す」と定義されています。だからホントのデコポンは、非常に高品質で、しかも安定しているはず。ところが、「デコポンの定義から外れたモノも、デコポンという名前で売られているから困ります」。
デコポンの栽培面積(2004年)は、全国で2980ヘクタール、トップは熊本県で1100ヘクタール、2番目は愛媛県662ヘクタール、3位は広島県258ヘクタールです。
お話:大石富出実 写真と文:クサマヒサコ

(更新日:2008年04月03日)
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