「コレステロールを下げる油」というのをご存じだろうか。コレステロール低下成分として、食品に添加されているのが「植物性ステロール(植物ステロール)」という成分である。コレステロールが気になる方への健康効果から注目される「植物性ステロール」についてご紹介しよう。
スーパーマーケットの食用油の棚には、近頃「コレステロールゼロ」「コレステロールを低下させる」と効能をうたった商品が目立つようになった。食用油のほか、マヨネーズ、ドレッシングやマーガリンの棚にも同様の商品を見つけることができる。厚生労働省が認可した特定保健用食品、いわゆるトクホマークがついているものもある。通常の商品に比べてやや高めの価格ではあるが、こうした健康機能成分入り商品を求める消費者が増えてきている。
こうしたコレステロール低下機能食品に添加されている成分に、植物性ステロールがある。この名前、コレステロールと似ているのは偶然ではない。化学構造式を比べると、コレステロールと植物性ステロールは非常に近い組成で、その差はほんのわずか。血中に過剰にあると健康障害を及ぼすコレステロールに対して、コレステロールを低下させる植物性ステロール。両者の健康効果は正反対である。
日本よりもコレステロールを気にする人が多い欧米では、植物性ステロール強化食品への注目度はかなり高いようで、シリアル食品、オレンジジュース、ヨーグルトといった朝食の定番にも浸透してきている。

植物性ステロールは、穀物や野菜などに広く含まれるが、大豆、なたね、とうもろこし、ごま、米、オリーブなどの食用油に多く含まれる成分である。
動物は体内でコレステロールをつくり、これを細胞膜の構成成分やホルモンの原料として体内で利用している。このしくみは植物も同じで、植物が生体内で細胞膜構成成分や生態防御成分の原料としてつくったものが、植物性ステロールなのだ。
ただし微量にしか含まれないために、コレステロールを下げる量を食事からとろうとすると、大量の野菜や胚芽を食べなければならなくなる。そこで考え出されたのが、植物性ステロールを強化した機能性食品なのである。

| 食用油 | 植物性ステロール(mg/100g) | 食用油 | 植物性ステロール(mg/100g) |
|---|---|---|---|
| 大豆油 | 340 | なたね油 | 700 |
| コーン油 | 850 | ごま油 | 500 |
| 綿実油 | 310 | 米ぬか油 | 960 |
| サフラワー油 | 310 | ひまわり油 | 350 |
出典:油化学便覧など
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