年齢とともに減少するヒアルロン酸を体外から補給することで、私たちはヒアルロン酸効果を得られるのだろうか。東邦大学医学部客員教授で宇野皮膚科医院院長の漆畑修さんにうかがった。

「ヒアルロン酸には、皮膚の保水性の維持、弾力・ハリの維持といった機能があります。皮膚科ではこれを活用して、ヒアルロン酸注射を行って、しわを伸ばしたり、唇に潤いを取り戻したりする若返りプチ整形治療に効果を上げています。また、ヒアルロン酸は膝(ひざ)の関節液にも含まれていて、膝を滑らかに動かすのに欠かせないものです。整形外科では、変形性膝関節症の治療にヒアルロン酸注射を用いて、痛みを軽減します。眼科ではドライアイの患者さんに目の乾燥を防ぐ目的で、ヒアルロン酸を含む点眼薬を使っています。」(漆畑修さん)
ヒアルロン酸は今、医療の現場でさまざまに活用されている。これ以外にもヒアルロン酸の研究は多方面で行われており、医療分野での活用の幅は今後もますます広がっていきそうだ。

私たちの身近にあるヒアルロン酸は、化粧品の保湿成分としてよく知られるが、最近ではサプリメントやヒアルロン酸配合食品など、「食べるヒアルロン酸」が登場している。保湿成分を食品としてとったら、そのまま体の中から潤うかといえば、そう簡単ではない。しかし、漆畑修さんが、肌の乾燥や肌荒れに悩む人を対象に、サプリメントのヒアルロン酸を6週間とってもらうという臨床試験を行ったところ、次のような結果だった。
「ヒアルロン酸を食べて2週間後、目の下の皮膚の水分量が増加しました。同時に、肌の表面を調べると均一でなめらかになりました。化粧品の場合、塗った場所の効果だけで、しかもヒアルロン酸は皮膚に浸透することはありません。一方、食品としてとった場合には、効果は全身に表れて、効率のよいスキンケアになりますね。」
ヒアルロン酸が体内でどのように分解され、再合成されるのか、そのメカニズムについてはまだ明らかになっていないが、臨床データでは、血中のヒアルロン酸量が増加し、実際に潤い効果も表れている。口からの摂取は、全身のスキンケアができて、効率的なのだ。

東邦大学医学部客員教授 漆畑修さん
1973年東邦大学医学部卒業。2006年まで東邦大学医療センター大橋病院にて皮膚科部長、美容医学センター長、栄養部長をつとめる。専門分野はヘルペスウイルス感染症、アレルギー性皮膚疾患、美容皮膚科学。医学博士、皮膚科専門医、サプリメントアドバイザー。テレビやラジオ、一般誌などでも活躍。著書に『美容のヒフ科学』(南山堂)、『美容皮膚科学』(メディカル・コア)など多数。
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