さてさて、一番野菜を食べているのは、60〜70歳の年代とか。野菜というと、まず何を思いますか? 「健康のために食べなくっちゃ」「下ごしらえがめんどくさい」「安全なの?」「おいしいの?」「旬なの?」などなど。そう思った方、それは<食材>としての野菜です。材料ですね。日々生きていくため、生活習慣病予防のため、ダイエットのためは、野菜を摂取しなければ! そう考えるのは、もっともな、正しいことに違いないのですが、あんまり楽しくないことではありませんか? そして、そういうモノは、いつでもスーパーマーケットで買えます。冬に夏のトマトも買えます。それが人類の叡智。文明のなせる業です。スーパーマーケットや外食産業の野菜を決して否定しているわけではないのです。
でも、自分で育ててみれば、野菜はおいしいから食べる、に変わっていくことでしょう。産地直送ですものね。新鮮な野菜が一番うまい! どんなすばらしい品種や産地、育て方の野菜も、流通にのって食卓に上るまでに、いくらがんばっても2日かかるといいます。目の前のベランダに野菜ができたら、採ってさっと洗うだけでいい。もちろんそのためには、その何カ月か前にタネをまいたり苗を植えたりしないといけないのですが。
そうそう、よくいただく質問で、「自給できますか、節約にはなるのですか」と聞かれますが、それは期待できません。あくまで趣味。どらくは道楽、といわれてしまいそうですね。でも、なりわいにするにはやはり、畑をもち、農業を勉強し、経験をつまないとできません。
私の園芸教室に来ている生徒さんのひとりが言いました。「やっとできたジャガイモ3つ、立派じゃないけど、材料費や交通費、講座料を考えるとなんて高価なジャガイモだろう、って家族で笑ったの。でも、それを家族で分けて食べたら、すごくおいしくて、来年もまたやろうって」。きっとその方には、収穫以上の喜びや思い出があったに違いありません。私の経験でも、たとえば、8月にタネをまき、9月に定植したブロッコリーが収穫できるのは、冬から早春。実に半年以上もかかってやっと収穫した一房はなにものにも代えがたい宝物。スーパーマーケットにいけば、もっと立派なブロッコリーが、一房100円だったりして、愕然(がくぜん)としたこともありましたが、当然、自分でじっくり育てた味は比べようもなくおいしい。至福の味でした。
道楽? いいではありませんか。堂々と野菜道楽を楽しみましょ。
(更新日:2006年12月05日)
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