寒い日が続きます。こんなときは、ねぎのたっぷり入った寄せ鍋やすきやき…。ねぎは一年中あるけれど、甘くておいしい季節は、今です。
そうそう、ねぎといえば、私の出身は山形県の酒田市なのですが、うちでは床の間に太い<ねぎ>を飾る日があったような…。遠い記憶なので、母にたずねてみると、大みそかに供えるのだそうです。「ねぎの白い根のように、白髪の生えるまで長寿で」という願いを込めて飾った、同じ酒田市でも母の実家ではその風習はなかった、といいますから、商家の風習なのでしょう。今は、兄夫婦がちっとも関心を示さないのでやめてしまったとか。母は80歳を超えて元気です。

学名:Allium fistulosum
英名:welsh onion
日本名:ねぎ
分類:ユリ科ネギ属
原産地:中国西部、中央アジア北部、バイカル地方


日本のねぎは、白ねぎ(根深ねぎ)と青ねぎ(葉ねぎ)に大きく分けられます。昔から、白ねぎは関東で、青ねぎは関西で多く消費されていましたが、最近は全国でこの2種類のねぎが食べられています。青ねぎを全国区の野菜にした博多万能ねぎの力は大きかったんですね。品種も、昔は白ねぎ用、青ねぎ用とはっきり分かれていましたが、今は育て方によって両方に使える中間品種も出ています。


ねぎの原産地、中国では紀元前から栽培されており、根深ねぎは北部で、葉ねぎは南部で生まれたとされています。日本に伝わったのは奈良時代以前という古い野菜。昔は「葱」と書いて「き」と呼んでいました。で、ねぎのことを「一文字(ひともじ)」ともいうんですね。「ねぎ」と呼ばれるようになったのは、江戸時代以降。根をたべる「き」だから、「ねき」、それが「ねぎ」になったのだそうです。
ねぎのタネをまくと、1本ひょろりと爪楊枝(つまようじ)のような芽が出ます。単子葉とはこのことかと。そんな芽ねぎの状態から、お店で売ってるようなねぎに育つにはかなり時間がかかります。リーキ(西洋の煮込み用の太いねぎ。下仁田ねぎより太い)などは、3〜4年もかかったり。根くらべです。品種にこだわらなければ、定植の時期に園芸店や農協で売っている苗を利用してもいいと思います。
ねぎ特有のにおいは硫化アリル。体温を上昇させ、風邪の予防や脂肪の燃焼促進につながる、とされています。殺菌作用もあります。発ガン抑制に関連しているというミネラル、セレンが含まれるほか、ビタミンB1、B2が多いのも特長です。緑の部分にはカロテンが多く含まれていますから、この点では青ねぎのほうが勝ち。


お神輿(みこし)や昔の橋の欄干についているねぎ坊主みたいな形の飾りを、擬宝珠(ぎぼうしゅ)といいます。これは、実際にねぎ坊主をかたどったものらしい。ねぎのにおいが魔除けになるとされていたので、飾ったとか。擬宝珠という名前も、葱帽子(きぼうし)、葱坊主(きぼうず)から来たそうです。
←ねぎぼうずは花のかたまり。春になって、ねぎぼうずが出てくると葉はかたくなるので、せっせと摘んでしまう。


ところが、鎌倉時代に日本に入ってきた禅宗のお寺では、門の前に「不許薫酒入山門(くんしゅさんもんにいるをゆるさず)」と書かれていて、ねぎはにおいが強いので入ることが許されない野菜のひとつになってしまった。ずいぶん変わってしまったなぁ、とねぎも嘆いたことでしょう。
・ ねぎを、タネから育てるのは根気がいる。苗から育てるほうが簡単です。
・タネまきと収穫の時期
| タネまき | 定植 | 収穫 |
|---|---|---|
| 3月〜4月 | 6月 | 11月〜翌4月 |
| 9月 | 翌3月 | 翌10月〜翌々3月 |
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