![]()
8月末から9月にかけては、まだ残暑も厳しく、秋のことなど考えていられないかもしれませんが、野菜づくりのマニュアル本を見ると、「トマトやナスがなっていても、9月にはいさぎよく処分して、だいこんやブロッコリーなど、秋冬の野菜用に畑を切り替える」とあります。
せまい畑の場合、できれば8月のお盆過ぎには、思い切って“夏物処分”作業をして、下半期のために畑をととのえたいもの。下半期に活躍するアブラナ科の野菜(だいこん、かぶ、小松菜、ターサイなど)のほとんどが、種まきの時期です。
でも、目の前にトマトがなっていたら、なかなか処分しにくいですよね。広い畑で余裕があるなら、「いつまでなっているかな?」と残してみるのも、家庭菜園だからこそできる実験です。私の経験では、12月の霜が降りるころまでなっていたことがあります。見た目はみすぼらしいのですが、ゆっくり育っているので、おいしいトマトになりました。
育てているトマトがF1ではなく<固定種>ならば、翌年のために種をとることができます。病気や生育障害のない、よく熟れたトマトの種とゼリー部分をビニール袋に入れ、ゼリー部分を腐らせます。2〜3日おいたら、よく洗って種をペーパータオルの上などで乾かし、乾燥剤を入れた密封袋に入れて、翌年まで保存します。

ミニトマトなど原種に近い品種は、そのまま実とともに種がこぼれ、翌年また生えてきたりもします。春でも秋でも、もし、<こぼれ種>が出てきたら、まちがいなく強くて手間いらず。その場所の神様からの贈りものです。
←前回ご紹介したポンデローザが、桃太郎を主とする日本の大玉〜中玉トマトの親とすれば、日本のミニトマト育成の原点が写真の「sweet100」。これがすべてのミニトマトの親といわれ、sweet100からたくさんの品種が生まれました。「Sweetミリオン」という品種もありますが、sweet100との差はあまりなかったような…。ちなみに外国では、ミニトマトのことをチェリーといいます。「なんとかチェリー」という名前がついていたら、ミニサイズのトマトということになります。

カモミールやしそ、トマトの原種などは、種から育てるのは難しいといわれますが、いったんなってしまえば、翌年もまた次の年も自然に生えてきて、しかもその土地に合っているため丈夫です。そのままでは収拾がつかなくなるので、スプーンやフォークで移植できるような小さい苗のうちにいい場所へ移動しておきましょう。
寒い季節に入る前に、トマト、キュウリ、バジルなどのこぼれた種から新しい芽が出ていることがあります。そのまま畑においておくといずれ霜でやられてしまうので、そっと掘りあげて鉢に移し、ベランダで育てます。うまくいけば12月まで生のバジルが楽しめたり、暖かければトマトが越冬したりもします。
前頁の写真のマッツワイルドチェリーは、畑では、不思議なことに栽培した翌々年から自然にはえてきます。実がなる前の葉っぱや花では見分けがつかないので、他のトマトといっしょにならないようにしていたら、一区画がマッツワイルドチェリー専用になってしまいました。冬を越して5月になると畑のそこかしこに出現します。土を頻繁に耕したり掘り返したりすると絶えてしまいそうなので、耕さないで自然にまかせます。

【9月〜長月(ながつき)】「ながつき」の由来は、「夜長月」の略が一般的。他に「稲刈り月」の転訛、あるいは9月は長雨の季節なので、「長雨月」を略したという説がある。別名;季秋、菊月、紅葉月、祝月、葛秋、寝覚月、竹酔月など。
| 9月1日 | 二百十日 | にひゃくとおか | 立春から数えて二百十日め |
|---|---|---|---|
| 9月2日 | 木乃登 | くわすなわちみのる | 穀物が実り始めるころ |
| 9月8日 | 白露 | はくろ | 秋も本格的になり、草葉に霜が白く見えるようになる |
| 9月9日 | 草露白 | そうろしろし | 草の葉に白露が宿り始めるころ |
| 重陽 | ちょうよう | 九の数は陽として喜ばれ、重なることはめでたいとされた | |
| ※旧暦の9月9日(今年は10月30日にあたる)は邪気を祓う菊酒を飲み、長寿を願った | |||
| 9月11日 | ●朔 | さく | 新月 |
| 9月13日 | 鶺鴒鳴 | せきれいなく | セキレイの鳴き声が聞こえてくるころ |
| 9月18日 | 玄鳥去 | げんちょうさる | ツバメが南方へ去って行くころ |
| 9月23日 | 秋分 | しゅうぶん | 彼岸の中日。古代中国では「龍淵に潜む」と説かれた。この日より夜が長くなる |
| 9月24日 | 雷乃収声 | らいすなわちこえをおさむ | このころより雷が鳴らなくなる |
| 9月25日 | 中秋の名月(十五夜) | ちゅうしゅうのめいげつ(じゅうごや) | 名月には芋、団子、枝豆などをそなえる。芋名月ともいう。ちなみに24日は待宵(まつよい)、26日は十六夜(いざよい)、27日は立待月(たちまちづき)、28日は居待月(いまちづき)、29日は臥待月(ふしまちづき)、30日は更待月(ふけまちづき)という |
| 9月27日 | ○望 | もち | 満月 |
| 9月28日 | 蟄虫坏戸 | ちっちゅうこをはいす | 寒さを恐れ、虫が地中に姿を消すころ |
| 9月 | |
|---|---|
| 種まき | |
| 上旬 | だいこん・たまねぎ・はくさい・小かぶ・小松菜・しゅんぎく・サラダ菜・ビート・パクチョイ・ラディッシュ |
| 中旬 | 小松菜・ほうれんそう・小かぶ・だいこん・ごぼう・ねぎ・ラディッシュ・しゅんぎく・みつば・アーティチョーク・菜心 |
| 下旬 | しゅんぎく・ねぎ・ほうれんそう・小松菜・サラダ菜・レンゲ・つけ菜類・小かぶ・ラディッシュ・二年子だいこん |
<9月は秋の種まきの月!>
★まき時を守って、先手必勝。どんどん寒くなっていくので、まきおくれないようにする。
一日種まきが遅れると収穫が10日遅れるともいわれる。
キャベツや白菜等は生長が遅れると、結球しなかったり、
春先すぐに花が咲いてしまうことがあるので、要注意。
★直根のもの(大根、ラディッシュ、ごぼう等)は、直まき。
★コリアンダーや葉野菜等は、秋まきのほうが、虫の害が少なくてよくできる。
★下半期の苗を買うなら、お彼岸のころまでにキャベツ、ブロッコリー等を。
★定植も「お彼岸まで」を目安に。
御倉 多公子(おんくら・たきこ)
園芸研究家。RHSJ(英国王立園芸協会日本支部)キッチンガーデンクラブ世話人代表。グリーンアドバイザー神奈川理事。NPO法人野菜と文化のフォーラム理事。園芸歴18年。自宅ベランダと菜園で野菜づくりに取り組み、トマトだけでも300種類以上。野菜づくりの場をガーデンとして、そのデザインや栽培、収穫を楽しみ、そのおもしろさを伝えたいと活動している。
カルチャーセンター講師、雑誌などで活躍中。
著書:「キッチンガーデンはじめて12ヵ月」(誠文堂新光社)
監修:「おうちで野菜作り」(日経BP)
(更新日:2007年08月30日)
※当サイトの推奨ブラウザは、Windows Internet Explorer6.0以上、Firefox1.5以上、Macintosh Safari 1.3以上、Firefox1.5以上となります。
Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
どらくに掲載の記事・写真の無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
©朝日新聞社
無断複製転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。