暑さ寒さも彼岸までといいます。でも、今年は、信じられないほどの猛暑が続いた分、秋の訪れも早いのでしょうか。やっとセミが鳴いたと思ったら、秋の虫の音も早くも聞こえてきて、自然界も大忙し。天気や気温は、その年ごとに違うので、「毎年一年生」という言葉も納得です。
涼しくなってきたので、トマトやなすなどの夏野菜が、最後に少しだけ元気を取り戻してくれたような気がします。「秋なす」というのは、夏にいったん枝を剪定(せんてい)して休ませたものが、秋にもういちど有終の美を飾る…ということではないかと思ったりもして。さて、今回は、なすのお仲間「とうがらし」。夏の終わりから秋口にかけて、ようやく本領発揮!真っ赤に色づいてきます。

学名:Capsicum annuum
英名:chili pepper , green pepper , red pepper
分類:ナス科トウガラシ属
原産地:熱帯アメリカ
→学名のCapsicumには、「果実が食物を刺激する」という意味があるとか。カプセル(容器)という説もあります。annuum は、「一年草」という意味です。

日本では、とうがらしとピーマンは別モノ扱いですが、欧米ではどちらも「pepper」。ホットペッパーかスイートペッパーか、つまり、辛いか辛くないかの違いだけで、同じ仲間なのです。

辛くないものの代表格といえば、もちろんピーマンですよね。その他、バナナピーマン、万願寺とうがらし、伏見甘長(あまなが)など。おなじみのししとうには、辛いものもあれば辛くないものもあり、まるで運だめしのよう。
畑に万願寺とうがらしか伏見甘長が1本あると、夏中、その収穫におわれます。最初の年は、畑に行くたびに大量に収穫できるのが頼もしく、うれしくもあったのですが、なにしろよく取れるので、気がつけば毎日ジャコ炒(いた)めや揚げ出しが食卓を飾ることに。あまりたくさん植えるものではないな…というのが最近の教訓です。
辛いほうのとうがらしの代表、鷹の爪(たかのつめ)や八ツ房(やつぶさ)も、1〜2本あれば、1年分のとうがらしはまかなえます。辛いもの大好き!という方でしたら、いくらあってもいいのかもしれませんが。わが家はあまり辛いものが得意ではありませんので、ほどほどに…を心がけています。
ある年、美食家で辛いもの好きの知人、壇太郎さんに、とうがらしの苗をたくさんわけてもらいました(「トマトマニア」オンクラ自慢のトマトの苗と物々交換で)。その数なんと、23種類!当然、畑の大部分はとうがらしに占領されてしまいましたが、大きく育つもの、小さくまとまるもの、黒い葉っぱがはえるもの、実が足れるもの、天に向かってなるもの…と実にさまざまで、ワクワク&ドキドキの楽しい一年間でした。

とうがらしも、トマトに負けず劣らず、その色や形のバリエーションたるや無限大です。色は赤やオレンジ、黄色、緑、黄緑、紫、黒などなど。一色のもあればシマシマ模様もありますし、大きさはミニミニサイズからバナナより大きいものまで。形もまん丸や、細長、バルーン型など本当にいろいろです。
色や形がカワイイので、ギフトにしても喜ばれました。また、乾燥させればクリスマスぐらいまでは色鮮やかなままなので、ヒモでつるしておくだけでも素敵(すてき)なインテリアに。リース型のオアシスにさしておけば、飾りながらお料理にも使えて便利です。
とうがらしの赤い色は、カプサンチンという色素です。強い抗酸化作用があり、動脈硬化の予防や老化防止に役立つといわれています。
辛さの成分は、カプサイシン。アドレナリンの分泌を促進し、食欲を増進させます。一方で、辛さが脳を刺激して体温を上昇させ、発汗、呼吸数が増し、それによって分泌されたカテコラミンが体脂肪を燃やすので、ダイエットに役立つともいわれ、注目を集めています。
辛みは、種の部分と、その周辺のワタ状の組織(胎座)に多いので、辛いのが苦手な方はタネとワタを取り除きましょう。
見た目だけでは辛いか辛くないかがわからないとき、私はシッポの部分を少しかじってみます。ししとうなど、辛いものと辛くないものが混ざっている種類で、辛いものを除きたい場合にお試しください。また、とうがらしも、モノによって辛さの度合いが違います。料理のレシピに「とうがらし1本」とあっても、ものすごく辛い種類なら1/2本でいいし、逆に辛みが弱いなら2本入れたいところ。目の前にあるとうがらしがどれくらい辛いのかわからないときは、シッポをかじって辛さを確かめましょう。
とうがらしは葉っぱも食べられますので、捨てないようにしてくださいね!

とうがらしはにんじん、なす、ねぎ、トマト、タマネギと相性がよく、虫よけなどの効果もあるコンパニオンプランツ。畑の守り神です。ベランダにも一鉢あるといいですよ。それだけで、害虫回避の効果があります。
また、とうがらしをベースにしたオリジナルの虫除けエキスを作っておくと便利。人によって作り方は違うようですが、私は、とうがらしににんにくを加え、水か焼酎で割り、2〜3ヵ月おいて発酵させてから使います(ときどき木酢液を入れることもあります。殺菌作用があるので、数ヵ月おいても不思議とカビたり腐ったりはしません)。
使うときは、水で薄めてスプレーします。刺激があるので、マスクやゴーグルを着けて散布しましょう。農薬と違い、すべて口に入ってもいいものばかりなので、さっと洗えば安心して食べられます。
秋が深くなったら、畑に植えたとうがらしは、霜が降りて枯れてしまう前に鉢あげし、ベランダや軒下に移動しておくと、長い間楽しめます。昨年は暖冬だったためでしょうか、わが家のとうがらしはなんと越冬しました。温暖化が進むと、一年中楽しめる野菜も増えていくかもしれませんね。

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