10月31日はハロウィーンの日。最近では9月末ごろから、街中に色とりどりのかぼちゃが飾られて、にぎやかな雰囲気に包まれます。ハロウィーンが盛んになったのはここ4〜5年のことでしょうか?私が20代のころ、職場や美大の仲間たちと仮装をして街を練り歩いたことがありますが、そのときはまだ奇異な目で見られ、六本木辺りで遭遇した外国人の方たちにだけ受けた思い出があります。
ハロウィーンのお飾りは、大きなオレンジ色のかぼちゃを怖い顔に切り抜いたランタンが定番。切り抜かずに、大小さまざまなかぼちゃをそのまま飾るだけでも、「収穫の秋、到来!」という気分になれます。

学名:Cucurbita moschata Duchesne(東洋種)、Cucurbita maxima Duchesne(西洋種、洋種)
和名:南瓜
英名:pumpkin、squash
分類:ウリ科カボチャ属
原産地:中央アメリカ(東洋種、和種)、南アメリカ(西洋種)
→「シンデレラの馬車」という名の西洋かぼちゃ。大型でカタチはいいけれど、味はイマイチ。でも、大きくなるにつれて、“馬車に変身するのでは?”などと想像をかきたてられ、ワクワクします。このかぼちゃを初めて見たとき、“名前の魅力ってあるのね〜”と、実感しました。

かぼちゃは、「日本かぼちゃ」「西洋かぼちゃ」「ペポかぼちゃ」の3つに分けられます。詳しい分類は、ズッキーニのときのイラスト(※)を参考にしてください。
※バックナンバー2007/06/14参照
http://doraku.asahi.com/karada/vegetable/070614.html
食味で分けると、「日本かぼちゃ」は、しっとりとして和風だしがよく合う上品なタイプ。煮崩れしにくいのも特徴です。「西洋かぼちゃ」はホクホク系。いわゆる「栗かぼちゃ」で、現在はほとんどがこのタイプです。ズッキーニが代表格の「ペポかぼちゃ」は、かぼちゃというよりウリに近い食感。金糸(きんし)ウリとも呼ばれる素麺(そうめん)かぼちゃもペポかぼちゃの仲間で、ゆでたり蒸したりすると果肉がするすると糸のようにほぐれるので、三杯酢などをかけて酢の物にし、シャキッとした歯ごたえを楽しみます。それぞれ食味がずいぶん違うのも面白いですね。

かぼちゃの栽培は、種まきが4月ごろ。大きな葉と太いつるがぐんぐん伸びるので、狭い畑では、真ん中に植えてしまうと、畑一面を占領されてしまうことも。端のほうに植え、畑の周りを縁取るように誘引するとよいでしょう。
プロに聞くと、「葉っぱ何枚めで摘心」など、いろいろなコツがあるようなのですが、私は基本的にほったらかし。実が1個〜2個なってくれれば満足…と思いながら育てています。
収穫は、夏から秋口にかけて。常温で2〜3カ月は保存できます。西洋かぼちゃは「Winter squash」というのですが、これは、冬に獲れるという意味ではなく、冬近くまで日持ちがするということ。日本でも、冬至にはかぼちゃをいただく習慣がありますよね。
→写真は5月末ごろのかぼちゃ畑です。芽が出ると、大きな葉とつるがみるみるうちに成長します。前回のコラムでご紹介した麦の栽培を生かし、麦を株ごと全部抜いてしまわないで20〜30センチの高さで切って残しておきます。すると、自動的にその上をかぼちゃが這って行き、自然のベッドになります。大きな実がなっても土につかず、保護されて一石二鳥です。
さて、私の今年の大ヒットは、「宿儺(すくな)かぼちゃ」。岐阜県の在来種で、ヘチマのような細長いカタチをしており、色はなんとグレー。ねっとり感もホクホク感もほどほどで、大変おいしいかぼちゃです。
昨年の冬、守口大根の畑を見学するため、岐阜に出かけたのですが、そのとき、この宿儺かぼちゃをお土産にいただいたのです。1個を縦に割り、ご一緒させていただいた吉田よし子先生と、半分ずつ持ち帰りました。
その半分の宿儺かぼちゃから、成熟した種は4個しかとれなかったのですが、大切に保存しておき、4月にポットにまきました。“もしかしたら、F1(一代雑種)かも?”と心配でしたが(F1の場合、種をまいても親と同じものは出てきません)、なんと3苗もでき、そのうち1苗を畑に定植しました。夏の終わりごろ、たった一個だけですが、葉の影に実を発見!その姿形を見て、“おぉ!れっきとした宿儺かぼちゃだ!”と、思わず感激しました。
種から親と同じ個体ができたということは、まぎれもなく固定種。種は大事に大事に保存し、絶やさないようにしたいと思います。こうして代々伝えられてきた伝統野菜は、まさに宝物。「ヘリテージ」とか「エアルーム」という言葉(※)を改めて実感した、今年の「宿儺かぼちゃ体験」でした。
※バックナンバー2007/08/30参照
http://doraku.asahi.com/karada/vegetable/070830.html
ちなみに、先日、ある生産者の方にうかがったところ、宿儺かぼちゃは、それほど古い品種ではないとのこと。もともとあった野生の細長いかぼちゃに、雪化粧などの灰色で食味のよいかぼちゃが交雑したのではないか…と、いわれているそうです。

かぼちゃは糖質がほとんどですが、カロテンやビタミンB1、B2、Cが豊富で、カルシウムや鉄分も含む、栄養満点のたのもしい野菜です。
スーパーなどで1/2や1/4にカットされたかぼちゃを購入するときは、種の断面に注目しましょう。イラストのように、中の一部が黒くなっているのは、よく熟れている証拠。おいしいかぼちゃ選びの参考にしてくださいね。


緑の皮の「坊ちゃんかぼちゃ」、黄色にオレンジの縦縞の「プッチーニ」といったミニタイプのかぼちゃ、とんがり頭の「コリンキー」(写真)なら、鉢植えでも栽培できます。目の前で雌花がぷっくりと大きくなっていく様子を毎日眺められるのも楽しいもの。
ミニかぼちゃは、そのまま飾りにしてもかわいいですし、リンゴの芯抜きで穴を空けると、手軽にキャンドルスタンドが作れます。中をくり抜くときも、最初にリンゴの芯抜きで穴を空けてからだと作業しやすく、ナイフを使うよりも安全なのでおすすめです。

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