いちごはスーパーでも果物売り場においてありますし、買う立場、食べる立場からすると、れっきとしたフルーツですよね。でも、いちごの栽培法は、果樹の本ではなく、野菜作りの本に載っているのです。
“それじゃあ、いちごは野菜なの?”というと、それもちょっと違います。例外もありますが、一般的に、果物は「木本(もくほん/木のこと。枯れずに成長し続ける)」で、野菜は1〜2年草の草本(そうほん/草。宿根のものもあるが、季節や気温によって1〜2年で枯れる)というように分けられています。いちごは、宿根(多年草)なのですが、毎年株を更新するので2年草として畑やハウスで作られます。そこで、「果実的野菜」に分類されるわけです。

いちごの苗は10月〜11月に植え、収穫は4月〜5月ごろです。初心者でも簡単に作れますし、プランターやハンギングバスケットでも育てることができるので、オススメです。赤くてカワイイ実がなると本当にうれしくて、子どももおとなも大喜び。その日の収穫がたった3個しかなくても、電子レンジでチン!してジャムにしてみたり…。とれたていちごで作るジャムの味は最高ですよ。
←ベランダにひとつあるとうれしい、いちごの鉢植えです。いっしょに植えている青い花は「ボリジ」といって、いちごのコンパニオンプランツ。蜂を呼ぶ、といわれています。害虫を忌避するねぎやタマネギも、いちごのコンパニオンプランツ。そのほか、いちごと相性のいい植物は、レタス、ほうれんそう、にんにく、ローズマリー。キャベツとその仲間は、いちごとは相性がよくないのでご注意を!

市場に出回るいちごの最盛期は、12月〜2月。クリスマスケーキやバレンタイン用に需要が増えるので、それにあわせてハウス栽培されています。一年中、日本のどこかでいちごが収穫されているのです。人間の叡智(えいち)はスゴイとは思いますが、「いちごの旬は春」というのが忘れ去られてしまうのではないかしら…、と心配にもなります。
自分でいちごを育てると、寒い冬を乗り越えて、やっと迎えられる収穫期の喜びはひとしお。たとえ形は悪くても、味が濃くて、「あぁ、これぞ春のめぐみ!やっぱり旬は春よね!」と実感できます。


さて、その収穫の喜びのためには、10月〜11月に園芸屋さんを訪ね、いちごの苗を買い求めましょう。少し前までは、ただの「いちご苗」(おそらく、ダナーまたは女峰)だったのですが、このところの品種の多さには目を見張ります。とよのか、さちのか、とちおとめ、章姫(あきひめ)、アイベリー…などなど、毎年のように新しい品種が出てきます。

この時期、園芸店で購入する苗は、9センチポットぐらいで、安価です。すでにいちごを栽培しているお友達がいたら、分けてもらうのもよいでしょう。1〜2苗でも、その後どんどん増えるので、欲張らないように。ストロベリーのストローというのは、あちこちにまきちらす→ふえるという意味だそうですから。極端に乾かさなければ、めったに枯れることのない、頼もしい植物です。うっかり苗を手に入れないまま来年の春になってしまったら、3月ぐらいから実や花のついた鉢が観賞用として売られはじめます。こちらはちょっと高いので、やはり今から準備しておくことをオススメします。
バラ科のいちごは、白い五弁の野バラのような花を咲かせます。園芸種には、ピンクの花や、白い実がなる品種もあります。

そして、実の季節が終わると、オリズルランのようにランナーが出てきます。これを育てていくのもまた楽しみのひとつ。親株からランナーが伸び、6月ごろに発生する1番目の子株は大きすぎて老化も早いので、7月〜8月に発生する2番目、3番目を育てて、発根したらポットなどに仮植えします。



そうそう、家庭菜園ならではの醍醐味が味わえるいちごといえば、ワイルドストロベリーです。以前、これを植えると幸せになるというウワサが流れたことがあり、大人気で手に入らなかった時期もありました。
ワイルドというだけあって、野生種。野いちごの一種です。実がなっても、畑から家に帰るまでの短い間にポロリと実だけが落ちてしまうことも。すごーく繊細なので、ワイルドストロベリーの実がスーパーの棚に並ぶなどということは、まずありません。
ワイルドストロベリーは、畑のその場で直に食べるのがイチバンという、作業のごほうび。ギフト用など、どうしても保存したいときは、ハチミツ入りの瓶を畑に持って行き、実をポイポイ入れていくといいと、RHSJキッチンガーデンクラブの仲間に聞きました。このハチミツ漬けのワイルドストロベリーは、ヨーグルトにかけてお召しあがりください。

←株も葉っぱも花も小ぶりで愛らしいワイルドストロベリー。花茎が長く、どんどん実がなりますが、すぐにポロリと落ちてしまいます。保存がきかないので、このままお口へ直行がイチバンかも(笑)。香りは最高!「四季なりいちご」とも呼ばれ、園芸店ではハーブコーナーにいつも置いてあります。

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