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−−ライカが中心ですね

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中央が、ライカ社がエルメス傘下に入った記念にライカMPの外革とストラップをエルメスが張ったエルメスライカ。2003年に限定500台、約130万円で発売された豪華特別モデルだ。右はライカDIGITAL。ライカマークへの憧れと持ち歩けるデジカメがほしいということで購入した。ライカM7は、自分の作品を撮るのに使用している旅の相棒。旅には最近はモノクロフィルムのみ、Tマックスを10本持っていくという。そして、ライカコレクションのきっかけとなった最初のライカIIIf。

最初はIIIfです。12年ほど前、仕事仲間のディレクターに「ほら、ネコのひげまで鮮明に写るだろう。ここでカメラのよしあしがわかるんだ」なんてしきりにすすめられて。それで感動して、頼んで買ってきてもらいました。でも使っているうちにボディーの一部が割れたり、フィルムを切って装填(そうてん)するのが面倒になり、M6に買い換えようとレモン社に行った。だけど、手に取ってみると大きくて重い。これは持って歩かないなとあきらめて、その日は帰ったんですが、半年くらいするとまたほしくなる。見に行っては帰り、見に行っては帰り……そんなある日、ぼくがやっていたラジオ番組にゲストとして、大好きなハービー・山口さんが、M6を持ってやってきた。それを見て、「やっぱりこれだな」と。でも、買ったのは当時発売されたばかりのM7。これが夢のように撮りやすい。仕上がりも独自の味がある。とても気に入り、ハービーさんのまねをして、どこへ行くにも持ち歩くようになりました。いちばん出番の多いカメラです。

−−エルメスライカは?

2年くらい前、フランクフルトのライカショップです。約100万円という価格に迷いに迷ったんですが、500台限定と聞いて決断した。一生ものだし、使い込むと革も格好よくなる。ところが、ちょっとした事件があったんです。ある人と会食したとき、いつも持ち歩いているM7で撮っていたら、「小山さんはカメラ好きなんですね。いいカメラをもらったんだけど、使わないからあげますよ」と言って、後日、持ってきてくれたのが何と、エルメスライカ!(笑)。これは限定品だから、100万円以上で売れますよと言ったんですが、「プレゼントされたものを売る気はない。好きな人に使ってもらうほうがいい」と。同じのを持っていますとは言えず、そのままもらっちゃいました(笑)。機能的にも使い勝手もM7とほとんど同じですが、被写体が女性のときはカメラを通して会話がはずみ、生き生きした表情になるという効果があります。撮影に使っている人は見たことないですね。

−−どんなときにシャッターを切るんですか?

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ベネチアで夕刻、ゴンドラの舳先から約15秒のスローシャッターで撮影。背景が流れて、不思議な雰囲気の作品になった。15秒の手持ちはきつかったという
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マレーシア・ランカウイ島のリゾートホテルの支配人とシェフ。全体に淡い描写の中で砂浜と影、空と雲のディテールはモノクロならではの味わいがある
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ベネチアの特徴である迷路のような狭い路地で出合いがしらに撮影。石造りの建物を大きくシルエットにした構図で洗濯物の白と石畳の質感が強く印象に残る。モノクロで撮り慣れている小山さんのセンスが光る一枚だ

画(え)になるなと思ったものをパシャパシャ撮る。風景や街中の人が多いですね。あとで気に入ったものを伸ばして、パネルにもします。インテリアとして飾りたいという前提だから、どうしてもモノクロが多い。月に1回2〜3泊の旅行のときは、M7とコンタックスRTSIIIが仕事を完全に忘れさせてくれる旅の相棒です。たまに無性に触りたくなるんです。いとおしいというか、触っていて気持ちいい。

プリントはモノクロ専門のプリンターに頼んでいます。職人気質のおじさんで、「これはプリントしていい」とベタ焼きに勝手に丸印をつけてくるんです。36枚のうち5枚しか丸がつかないこともあって、無印の写真は頼んでもなかなかプリントしてくれない(笑)。逆におじさんが気に入ると、フィルム消化のために適当に撮ったスナップでも引伸ばしてくる。だからプリントはおじさんへの挑戦。添削されてるようで毎回ドキドキします。

あまり言ってないんですが、ぼくはカメラマンネームを持ってるんですよ。雑誌の連載にいたずら心で「写真:アレックス・ムートン」とクレジットを入れています。語源はシャトー・ムートン・ロートシルドというワインで、ムートンはフランス語で「小山」。アレックスは、アレックス・モールトンという自転車が好きだから。いかにも実在しそうな名前でしょう。この写真は、アレックス・ムートンだよと言って雑誌を見せると、2人に1人は「へえ、さすがだね」なんて知ったかぶりする(笑)。それで写真を見た人から、プロのカメラマンとして仕事が来たらいいなとねらっているんですが、まだないですね(笑)。

(更新日:2007年06月11日)

プロフィール

小山薫堂(こやま・くんどう)

小山薫堂(こやま・くんどう)

1964年熊本県生まれ。日本大学芸術学部放送学科在学中から放送作家として活動、「11PM」「料理の鉄人」「カノッサの屈辱」など人気番組を手がける。売れっ子作家であり、作詞やドラマ脚本・小説執筆、ラジオのパーソナリティー、プロモーション企画立案など幅広く活躍している。著書に「恋する日本語」「フィルム」、「まってる。」(翻訳)など多数。5月創刊の雑誌「旬がまるごと」(ポプラ社)では責任編集長を務めている。

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