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――カメラにめざめたのは?
10歳の夏休みです。海水浴におやじが仕事で急に行けなくなって、「おれはいっしょに行けないから、これで撮ってきなさい」と前夜にカメラを渡され、撮り方を教わりました。でも当日は遊びに夢中でカメラのことを思い出したのは、着替えて荷物をまとめていた帰りぎわ。あわてて弟や友人を撮ったけど、現像に出したらよく写っていて、それで興味を持ったんですね。ビューティー35という安いカメラでした。本格的にやるようになったのは、大学に入って上京してから。8ミリムービーに夢中だったぼくは、フィルムを安く手に入れるためにカメラ店でアルバイトをはじめたんです(笑)。そこで働いて、自分で初めて買ったのがコニカT3。作品を撮るというよりは、映画の勉強のために使っていました。23歳で放送作家になったあとは、自分で書いたドラマの番組宣伝用の写真も撮りました。今の仕事でもカメラが役立っています。
――どんな使い方ですか。
映画と同じで、漫画の脚本もせりふとト書きがあるんですが、文章だけでは伝わらない場面には資料として写真を添えるんです。といっても、カタチを伝えるためだけじゃない。写真に力があると、漫画家がそれを感じ取って、作家が思い描いている微妙なニュアンスまで画で表現してくれるんです。つまり、いい写真が作品の質を高めてくれる。それでカメラを次々と買うようになり、昨秋ついに700台を超えてしまった(笑)。カメラ店の多い銀座で打ち合わせをするから、どうしても誘惑に勝てないんです。買ったカメラは全部リストにしていますが、トータルでいくら使ったかはこわいから計算していません。(笑)

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